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Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

2014/07/28

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 (レイ・クロック、マクドナルド創業者)

原題 : GRINDING IT OUT
Advantage : 情熱/挑戦したくなる/人間力/頑張る気力UP
Key : 本/男性/海外/実業家/マクドナルド/社会貢献 

Info : 

成功はゴミ箱の中に ─レイ・クロック自伝

 マクドナルド創業者レイ・クロック(1902-1984)の自伝、自筆による歴史と信念が書かれています。52歳でハンバーガービジネスに出会い、その将来性を直感し、新たなビジネスに挑み、パイオニアとしてのスタイルと精神を確立していく歩み、節々でのレイ・クロックの言葉と思いが綴られています。
マクドナルドと聞いて誰もがイメージすること、アメリカ自由経済のアイコン、フランチャイズ経営の象徴。
この本を読むと、それは、同時にレイが、“世界一、億万長者を生んだ男”である、“世界一、億万長者を育てたビジネスマン、経営者”である姿をフォーカスし、浮かび上がらせます。
これを可能にした最大の特色は、巨大企業の経営者というよりも、レイの徹底したビジネスマン信念と目線からのジャッジとアクションにあると思いました。

 巨大フランチャイズ企業のパイオニア、入院している子供のために家族宿泊施設を作る等のCSR活動の面でも尊敬される企業であるのに、レイがリスクを乗り越え、進んできた道のりを語る口調は、解りやすく、親近感があります。

それは、レイがマクドナルド事業に取り組む52歳までのビジネスマン経験を、明白な信念としているからです。・・・・・ビジネスマンとして洞察力と視点。ビジネスが面白いから追いかけて、拡大することを夢見る。金を崇拝したこともないし、金のために働いたこともない。・・・・・

また、マクドナルド社員皆を成功へ導くことを楽しむ姿勢、教育哲学が魅力的だからです。
・・・・・仕事に誇りを持って、「働くこと、働かされること」を楽しめなくてはならない。
幸福とはその人次第、どれだけ頑張れたか、努力したかによって得られるものだから、誰かに与えることはできない。唯一できることは幸福を追う自由を与えることだ。・・・・・

次の言葉は、私がレイの金言で一番深く感じたものです。

・・・・・やり遂げろ---この世界で継続ほど価値のあるものはない。
    才能は違う---才能はあっても失敗している人は沢山いる。
    天才も違う---恵まれなかった天才は諺になるほどこの世にいる。
    教育も違う---世界には教育を受けた落伍者が溢れている。
    信念と継続だけが全能である。

 等身大の言葉がグッときます。
レイは勤勉で、パイオニア精神に溢れた努力家だと思います。それがマクドナルドを成功に導いた原動力であることは周知の事実です。
ですが、この自伝を読む限りでは、稀に見る才能に恵まれた人でも、突飛な行動に走る変わり者でも、浮世離れした大胆な賭博師でも無い、平凡で善良な一市民のようです。
そんなレイが成し遂げた偉業は、つまりは、信念の持ちよう、やり遂げることにあると言っているのですから、リアルにシンパシーを感じやすい、具体的に考えやすい、夢を持ちやすいと思いました。

 ソフトバンクの孫さん、ユニクロの柳井さんも人生のバイブルとしている本だそうです。
企業愛とビジネス信念に比重が大きい、自伝の内でもビジネスよりの内容です。

2014/07/27

プラネタリウムを作りました。 (大平貴之、一般人・プラネタリウム製作者)

Sub : 7畳間で生まれた410万の星
Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/頑張る気力UP
Key : 本/男性/日本/プラネタリウム/メガスター

Info : 本

プラネタリウムを作りました。【改訂版】

 大平貴之さん(1970~)、世界一のアマチュアのプラネタリウム作り人。
小学三年生の時、近所のプラネタリウムの星空を初めて見た感動が全ての始まり。
星空への興味、プラネタリウムを作りたいという探究心は、自室の7畳間の内で無限に拡がっていき、とうとう世界最高峰410万もの星を映し出すプラネタリウム開発に成功しました。
世界中の技術者やメーカーが成し得なかった快挙を、個人の趣味の延長でやり遂げたのです。
自分の理想とするプラネタリウムを作りたいという思いのために考え、行動し続けるのみ。とてもシンプルで美しい、でも簡単ではないことを達成した、夢を追うお話です。

 子供のままのような純粋な気持ちを持ち続け、追い続けていたら、夢を叶えることができました。
そして、その大好きなこと、ライフワークが仕事となり、生きる意味、がんばる価値でもあります、というキラキラコツコツ型、真っ直ぐな情熱、さわやかな感動を受けるお話です。
人生の早い時期に、最大の興味・目的に出会って確信し、一途に夢を向かっていく、貫く意志、環境と運(例えば音楽家が聴力を失ったり、アスリートが怪我して人生の目的を転換しなくてはならないシチュエーションではなく)には、純粋に憧れます。
 好きなことor安定した別の就職、夢に挫折しそう、一旦は就職したけど夢を諦め切れなくて迷っている時、迷っている人には、感じるところが大きい内容だと思います。
 
もちろん、大平さんには、他の人が簡単に真似できない事を達成できた理由があります。
真面目、好奇心旺盛、とことん突き詰める性格。失敗の連続にもめげずに継続する根気と努力。最終的には全部を包み込んでしまう生来の楽天家的思考が根底にあると思いました。

 アマチュアといっても、機械工学を専攻、大学院終了まで研究し、電機メーカーに就職という経歴を持ち、1998年に社会人の一般個人参加にて国際プラネタリウム協会で“初代メガスター”を発表、快挙を成し遂げます。
その道程には、小学生の時にプラネタリウムを見て、興奮のままに直ぐに自室の天井に蛍光塗料で天体図を書くと、家族が喜んでくれたことに発し、宇宙ではなく、宇宙の星空を作り出すメカに興味を持つに至る経緯。
そのために機械工学を専攻しますが、プラネタリウム作りを7畳の自室で、独学で、何度も試行錯誤していくには、天体知識と計算、機械の素材、組み立てる工学技術、それをプレゼンする英語等、多様な勉強をする必要がある等、様々なクリアすべき壁がありました。
ネットもなかった子供時代には、何かを調べたり、調達するためには、電話をかけまくったそうです。大学時代には、専攻外のプログラミングの知識、実践機種とするための知識と経験をメーカーのアルバイトで勉強する、プラネタリウム投影機の材料資金を稼ぐために休学までして没頭しています。 

そして今は、制作した意味、制作を探求していく意味や価値を、経験を通じて自問し続けながら、活動の空間を拡大中だそうです。

太平さんの言葉の一部:

  星空を作りたいという願望は、美しいものを作りたいという願望。
  美を創り出すアート作業であり、アーティストが心の中の宇宙を描き出す行為と、
  外にある宇宙を自然科学で描き出す行為は繋がっている。。。。。

この世界最高レベルのプラネタリウムのシリーズは、メガスターと命名されていて、東京では日本科学未来館に常設されています。
子供達への教育、アート、イベントや結婚式など、進化しながら新しい挑戦を続けていているメガスター、WEBも素敵です。http://www.megastar.jp/