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Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

2013/12/14

マーヴェリックス/波に魅せられた男たち (ジェイ・モリアリティ、サーファー)

原題 : Chasing Mavericks
Advantage : 情熱/勇気/絆/サーファーの魂
Key : 映画/男性/海外/海/サーフィン 

Info : DVD   ← 迫力、興奮の動画あり。   公式ファンページ  
    
マーヴェリックス/波に魅せられた男たち DVD

 伝説のサーファー、ジェイ・モリアリティを知っていますか?
これは、ジェイの熱く燃えた青春、“サーフィンを愛する魂”at サンタクルーズ、カリフォルニアのStoryです。
大迫力の波と海、サーフィンへの情熱と挑戦、それを見守る人々との絆。
全てのサーフィンLover、オーシャンLoverに捧げたい、そして、この映画を見て共に味わえるであろう感慨と興奮を分かち合いたい気持ちで一杯になります。

 幼い頃から母と二人きりのジェイは、貧しい暮らしと、生活を支えることだけに精一杯の母に気兼ねしながら育ってきました。ある日、海で溺れたていたところを、近所に住むサーファー、フロスティに助けられます。それは宝物を見つけた日、サーフィンへの憧れと、彼のヒーローで師匠となるフロスティとの出会いでした。

 サーフィンに恋する高校生のジェイは、同じ年頃では並ぶ者の無い程、その技量を真っ直ぐに伸ばしていきます。そんな時、こっそりフロスティの後をつけて、伝説のモンスターWaves=マーヴェリックスに挑んでいく男たちを見てしまうのです。
冬季の限られたチャンスにしか出会うことのできないマーヴェリックスはビル7階の高さ!もう圧巻です、自然の偉大さに驚嘆するしかありません。

マーヴェリックスにショックを受け、魅入られたジェイは、自分も仲間に入れてくれと頼みますが、フロスティは頑なに断ります。
複雑な家庭環境で育ったフロスティは、ヒトとの、父のように慕ってくれるジェイとの関係に踏み込むことを避けていて、また、家族を愛すると同時に、命の危険を冒してもマーヴェリックスを断ち切れない自分のサーファーの業に、心が迷っていたからです。
結局、唯一の理解者である妻の言葉に押され、ジェイとともに進み始めます。12週間のトレーニング課題という条件付で、肉体、精神、感情そして魂を鍛えることを伝授していきます。

 この教え、グッときました。トレーニングにひた向きなジェイの姿と共に。
自然と共に呼吸し、一体化すること。
大波に挑んでいくことだけでなく、全てを包む大自然、地球の一部である自分の存在を受け入れつつ、それを享受することこそ、サーフィンの原点です。改めて、サーフィンの楽しみに気づかされます。
 そして、原題Chasing Mavericksについて、大波を追い続ける挑戦というそのままの意味よりも、マーヴェリックスに挑戦する資格を得る、極めることを追求するサーファーの敬意と崇高な魂を表している、素敵なタイトルだなと連想しました。

 マーヴェリックが現れる決戦の日、あまりのモンスターWavesの脅威に、参加者は続々とリタイアを余儀なくされます。ジェイも仲間が見守る中、大波に飲み込まれ、命さえも心配される間一髪で状況で浮上してきます。しかし、近寄った救助艇に、“救助じゃないよ、僕のボードをくれ”と言って、再び果敢に立ち向かっていきます。
そして、とうとうマーヴェリックを制覇、16歳の勇気に誰もが驚き、心動かされたのです。

 ジェイは22歳の若さで他界します。(ダイビング事故)
サーフィンに没頭し、幼馴染との一途な愛を貫いて結婚、フロスティや仲間との絆、色濃く凝縮された短い人生を駆け抜けました。

 運命って気まぐれだ。
本当に本当にサーフィンが大好きだった、ひた向き。
22歳までの若さと純粋さは、その他のしがらみなんて無縁だった。
これがジェイを伝説のサーファーとして有名にした要因の全て、映画からはシンプルにこれだけだと感じました。
その上に、ヒトとの出会い、タイミングがリンクするということ、これは神様からのギフトなんだろう。
ジェイの場合は、この前髪を見据えていて掴み取ることができた、これが最終的に大切なことだと思います。

 溺れていた小学生のジェイは、フロスティに助けられた瞬間、劇的な何かをサーフィンに感じたでしょうか?

 最愛の妻を亡くして茫然自失のフロスティが、海の真ん中で独り、ボードに跨って何時間もプカプカと漂っていた時、ジェイがその姿を見つけて、そっと寄り添い、親ほど年上のフロスティを懸命に励ますシーンがあります。
海の生命力と静けさに包まれて、心の絆が伝わってくる感動的なシーンです。
 ジェイはこの瞬間、運命的なヒトとの巡り合いについて、間違いなく、何かを感じていただろうと思います。

 とにかく映画を、映像を見てください。心が共鳴する感じです。
サーフィンて、海って最高だ。心の絆って素晴らしい。

2013/12/13

マンデラの名もなき看守 (ジェームス・グレゴリー、マンデラ氏を見守り続けた看守)

原題 : Goodbye Bafana
Advantage : 不屈の精神/人間力/勇気/信念
Key : 映画/男性/海外/ノーベル賞/マンデラ/リーダー/南アフリカ 

Info : DVD

マンデラの名もなき看守 [DVD]


 ノーベル平和賞受賞者、南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏が2013年12月05日に永眠されました。追悼の意をこめて、この映画を紹介したいと思います。 

 これは、マンデラ氏の苦難に満ちた長いアパルトヘイト闘争の中、27年にも及ぶ収監生活のほとんどを見続けてきた白人看守ジェームス・グレゴリーの手記を元に、1990年2月11日の歴史的な釈放日を掴むまでが綴られた映画です。
当時の社会情勢において、白人の視点であること、マンデラ氏に許可を得て映画化された経緯は貴重であり、政治が全てを巻き込んで家族や愛の問題に直面する時のマンデラ氏の姿、人間力が第三者の眼で語られていることに大きな意義があると思います。

 ジェームスは現地のコサ語や習慣に親しんで育ってきた過程で、黒人の幼馴染バファナとの関係や社会情勢の変化に気づき、受け入れるしかない心の葛藤を忘れようとして生活していました。ある時、コサ語が解るということでマンデラ氏の担当看守、つまりスパイに抜擢されることから始まります。

 白人と黒人、看守と囚人という立場から、始めは言葉を交わすことも少ないままに時は経過していきます。それでも日々の態度や考え方に接し、心に敬意と親しみが芽生え始めたました。そんな矢先、コサ語で知りえたマンデラ氏の息子のちょっとした情報を何気なく報告すると、数日後、その息子が疑惑の事故で死亡してしまいます。
ジェームスが罪悪感からお悔やみを述べると、苦悩に打ちひしがれた様子のマンデラ氏は、
「黒人と白人が平等な権利を持つ国が実現すると素晴らしいと思わないか?君は自由憲章を知らないのか?」と言います。
弁護士らしい答えですが、自分の信念と行動を貫くことで多くの同士が殺され、自分の一番大切な人までも失う心境は。。。アパルトヘイトに対する嫌悪と自由平等を実現するための闘争、誰かを憎んで人殺しをする戦争とは明らかに異なるという信念、人間性が現れている言葉だと思います、こんな最悪の闇の中においても。
それよりも、その言葉を聞いた時のジェームスの心は。。。。

 後年、ジェームスは何かとマンデラ氏にも気にかけてもらっていた自分の息子を、事故で亡くします。自分のスパイ行為のために命を失った人達、その家族の痛みを身をもって知り、後悔し、絶望して、マンデラ氏に真実を打ち明ける手紙を出します。
それでもマンデラ氏は、「知っていたよ。君は職務を遂行しただけじゃないか。」と責めませんでした。

 最後に、釈放されるマンデラ氏をテレビで見ながら、自由憲章を開くジェームスの姿で映画は幕を閉じます。

 監禁された塀の中で、来る日も来る日も新たな苦難に絶えるだけ。そんな状況の中でどれほど政治的信念=大儀、家族や愛、社会の理不尽さについて考えたことでしょう。
光を見ていた、光を失わなかったマンデラ氏の心は優しくて、とても強い。他の人には真似できない、世界の賞賛に値する素晴らしい生き方だと思います。
ただ、彼がこの人生を望んだかというとそうではなく、時や社会がそうさせたのであって、ずっと家族と共に楽しく過ごすような別の人生もあったのかと思うと悲しいです。

 今でも世界では人種や民族による差別や悲劇は続いています。
罪無き子供達までもが犠牲になる残酷なニュース映像を見ると心が痛み、人間の醜さや社会の不条理さに怒りを感じながら、それに勝つことができない無力さで、眼を背けたくなります。
 世界中で自由憲章を実現することは簡単ではないけれども、マンデラ氏の生き方を尊敬し、思い出すことは大切なことだと思います。
 眼を背けずに、光を見続けた。そして、その深遠な闘争に一生を捧げたマンデラ氏の信念と意思が、多くの人々に引き継がれることを願ってやみません。

関連Info : 映画 インビクタス/負けざる者たち Invictas    本 インビクタス 負けざる者たち

                     本 自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝  ← 映画化決定、近日公開


         

2013/12/12

愛しのフリーダ (フリーダ・ケリー、ビートルズを支えた誠実な仲間)  

原題 : GOOD OL' FREDA
Advantage : 誠実/ヒトの品格/友情/ビートルズの青春
Key : 映画/ドキュメンタリー/女性/海外/アーティスト/ビートルズ 

Info : 映画公式サイト


 ビートルズがメジャーになる前から解散までの11年間を、彼らと共に駆け抜けたフリーダという女性のドキュメンタリーです。裏方に徹したもう一人のメンバーとも言えるフリーダが、回想しながらトツトツと、時には幸せそうに語るシーンを基軸に、当時の映像と音楽を交えながらストーリーは進みます。
“彼女の眼”から語られるメンバーの真の姿、素のままの顔が、今までに知られていなかったエピソードや葛藤と混ざりながら鮮やかに浮かび上がり、ビートルズファンには新たな感慨を与えるのではないでしょうか。

“彼女の眼”とは?誠実、思慮深くて、Happyパーソンで、そしてトテツモナク頑固というフリーダの人柄が、どのシーンからも絶対的に感じ伝わってきます。その眼を通じて語る真実が全てで、そして、これはフリーダの半生、生き方を映す映画でもあると思いました。
今までお金や名声には興味を示さず、暴露本や秘蔵コレクション等は一切出したことがない、考えたこともなかったフリーダ。ビートルズメンバーとのファミリー的な愛やメンバーの心を、唯一大事に守ってきたフリーダの。

 それが何故この映画で沈黙を破ったのかと考えると、最初から最後まで、今でもビートルズが大好きで、大ファンであることに誇りを持っていたからなんじゃないかと思いました。
始まりは一ファンとしてビートルズに関わり、ヒョンなことから何時も何所でも一緒に過ごすことになった奇遇な、ジェットコースターのような時代の体験を、心の箱から出して全てのファンと共有したかった、伝えて後世まで残したかったから。

 どこまでも誠実でフェアー、そして愛しい頑固者の意思、生き方を見ました。
ジェットコースターで夢世界に連れて行ってもらったのに、自分の信じるものを見る眼を持ち続けて。
こんなヒトもいるのですね。

フリーダがファンクラブのリーダーで良かった。
ありがとうビートルズ!ありがとうフリーダ!!って叫びたい。

(そして早速ビートルズのTシャツを探して買いそうな自分。。。。)