add

Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

2013/12/21

世界がもし100人の村だったら (推定原文著者ドメラ・メドウズ、生物物理学者)

原題 : If the world were a village of 100 people
Advantage : 社会貢献/友情/幸福の意味
Key : 本/世界/環境問題/ネット・ロア

Info :

i_main.jpg

 これは、インターネット・フォークロア、“ネット・ロア”と名付けられ、グローバル時代を反映して生まれてきた、今も発展中の民話です。
「世界がもし100人の村だったら」の元は、ドメラ・メドウス氏の「ザ・グローバル・シチズン」(1985年著)の一部と推測されています。推測というのは、ネットで拡散されていく過程で、1000→100人、序章や結びに感想等が加わっていたり、原文とは詳細が異なる様々なバージョンが存在し、今も変化し続けているからです。
 メールが転送される度に、受信者の気持ちが積み重ねられ、一つのメッセージへと結実していく、、、恐らく、世界は1つという善意と責任感の気持ちで。例外的なジャンルではありますが、ここで“沢山のヒトの気持ち”を重要視し、今回紹介させていただきました。

絵本の内容は、100人という身近なスケールに当てはめて、世界の環境問題や社会問題を提起し、皆で考えて救おうと呼びかけるものです。

~結びの文抜粋~

もしもたくさんのわたし・たちが
この村を愛することを知ったなら
まだ間に合います
人びとを引き裂いている非道な力から
この村を救えます
きっと

 子供にも大人にも読んでほしい絵本だと思います。皆、世界市民の1人として。

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ (ミュージシャン)

原題 : MARKETING LESSONS FROM THE GRATEFUL DEAD
著者 : デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン
Advantage : 情熱/バイタリティ
Key : 本/海外/グレイトフル・デッド/マーケティング/環境問題 

Info :

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ


 グレイトフル・デッド(コレよりGD)って、ヒッピーでラブ&ピースのバンド、あのGDでしょ?
それとマーケティングって、、、活動期間も1965~1995年じゃなかったっけ?
先ず、このタイトルに面白センサーが反応、昔からデッドベアのキャラクター好きということもあり、読んでみました。

 二人の著者、 デイヴィッドとブライアンは、エコノミストで企業家、熱烈なデッドヘッズ(GD信者)です。GD愛と、ユニークな策略を感じさせる二人のストーリー展開も絶妙で、どこから読み始めても良い3つのチャプターから成り、赤字の重要ポイントマーク等は簡潔明瞭。GDポリシーの具体例を検証しながら、彼らの自由な精神を反映し、共感度が高い、楽しい読み物に仕上がっています。
ビジネス本以上、現代マーケティング実用書としての内容と完成度は、良い意味でショッキング、一気にGDワールドに引き込まれる感じです。
見た目も、普通であるはずが無いという期待通り、カバーや内ページは、シンボルのポップなイラストとカラー、書体が踊るデザインです。こんなの見たことない、コレクションものです。

 この本で検証されているように、1965~95年の早い段階から、現代のSNS手法を見事に実践していることが解ります。

・ 歴史的な大ヒット曲は無いのに、何故30年以上もファンの心を掴み続けているのか?
・ 当時の業界常識をくつがえし、活動の中心はライブで、ライブ録音とグッズ制作フリーOK。
  どのような仕組みで儲けているのか?
・ 2009年よりビジネスモデルとして検証され始めたのは何故か?今、注目される理由は?

 それは、企業の価値とブランドは、ユーザー(ファン)によって造られる=企業の押し付けではないこと、ファンとの対等な仲間意識と立場=共存共栄、徹底したファンへのケアと満足度を意識してきたことが大きいと思います。
彼らの一貫したボランティア活動=企業CSRも特筆すべき点で、一層の信頼関係とブランディング効果を高めたと言えるでしょう。

 音楽への情熱を貫く。
自分たちがやっていたことが、本当に好きだった。

GD魂は、やっぱりコレです。多くのデッドヘッズを魅了する根源は。

 コレが意図せずとも、経済、社会、音楽の分野を融合し、今も影響を及ぼす社会現象に結実したのだと思います。
 ITCとマーケティング関係、デッドヘッズ、興味を持った方へ、気になりませんか?
キニナル、キニナル、キニナル、、、読んだら理由が解ります。

超・美術館革命 (蓑 豊、金沢21世紀美術館特認館長)

サブタイトル : 金沢21世紀美術館の挑戦
Advantage : 挑戦/情熱/マネージメント力
Key : 本/男性/日本/美術/リーダー 

Info :

超・美術館革命 -金沢21世紀美術館の挑戦 : ワンテーマ21: 蓑豊


 蓑豊氏、美術史博士。
深い専門知識に加え、世界で活躍してきた自由な視点と経験を武器に、地方都市の新設美術館をプロデュース&マネージメント。記録的な来館者数を誇り、一躍有名になりました。

 新美術館を創る、その土地は金沢城の前であること以外、0からのスタート。
コンセプト決定、ハコとなる建築を考案することから始まる計画進行の様子と思いが、生き生きと伝わってきます。企画や運営論を説くビジネス本というよりは、“蓑氏の新美術館創造大作戦”とでも呼びたくなるような内容で、挑戦、創造の楽しさを教えてくれます。

何故、この金沢21世紀美術館にだけ、人が集まるのか?
地方の現代美術館としては異例の、大きな集客力を保ち続けているのか?

・建築家 妹島和世さんによる丸いガラス建築。
 未来的でユニークな建築と歴史文化的町並みとのコントラスト。新しい試み。

・子供に気軽に訪れてもらう、喜びを与える場所としての役割。
 純粋な子供時代に、心に感動を受けることの大切さ。

・美術館はサービス業であることの認識、努力を続けること。

 正直な感想として、予算の使い方、集客の努力、PR、利益の追求等の取り組み、考え方については、民間企業が当たり前にやっていることも多く書かれていました。
それができなかった今までのシガラミを飛び越えて成功した要因は、市長がこのプロジェクトに蓑氏を抜擢して一任した決断、それから、先ずは妹島さんの建築が世界的にも注目されたことが大きいだろうと思います。

 蓑氏のアイデアと情熱が詰まった本、バイタリティ、パワーをもらえる気がします。

2013/12/20

おにいちゃんのハナビ (一般人の実話、引きこもり)

Advantage : 勇気/家族の愛/心の弱さ
Key : 本/映画/男性/日本/一般人
Info :
    DVD

おにいちゃんのハナビ (朝日文庫)おにいちゃんのハナビ [DVD]

 実話を元にした小説(脚本)、病弱な妹の運命を見守る苦しさ、死に直面した絶望、それから愛するヒトの死を受け入れ、自分にできることを考えて歩き出すまでの、「心の旅」の物語です。
ある一人のおにいちゃん、太郎の、妹ハナを大切に思う気持ち、自分を変えようと歩みだす勇気、“ハナに捧げる花火”を作る姿に感動します。
 そして、その特別な“ハナの花火”が天国に向かって花開いた次に、“おにいちゃんの花火”が、太郎のためにサプライズで打ち上げられます。

 一家がハナの療養のために、東京から移住してきた地、新潟県小千谷市片貝町では、花火祭りに「奉納花火」を打ち上げる風習があります。全ての花火は、人生の節目を祝う気持ちを込めた奉納花火なのだそうです。
 
 二人はとても仲の良い兄弟でしたが、いつも家族、生活の中心はハナという環境で育ち、太郎は自分の本心を言えないまま過ごしてきました。段々と心の歪みが大きくなり、誰にも心を開かない中学、高校生活を送り、ハナの死が避けられない状況になった時に、とうとう心が折れて、引きこもりになってしまいました。
しかし、どんな時も努めて明るく、必死におにいちゃんを励まして、引っ張り出そうとするハナの健気さに心動かされ、始めはハナと二人一緒に、少しずつ外と交流を持とうと動き始めます。
 しかし、ハナは楽しみにしていた花火祭りを待たずに亡くなり、引きこもり脱出のリハビリ中の太郎は、深い悲しみを前向きに生きる力に変えて進む決心をします。そして、“ハナに捧げる花火”を
上げる、その花火も自分で作ると誓います。
 
 引きこもりからの脱出、一大決心だったと思います。ハナのために頑張るおにいちゃんを、そっと見守ってきた人々、ハナの友人等、周りの沢山の人達からの気持ちで、「あなたの頑張る姿に励まされました」というアナウンスで打ち上げられます。
これ実話、泣ける話です。

 一歩踏み出す自分の勇気、それから、ハナと周囲の温かい気持ちが結びついて咲いた花は、心に染みる美しさだっただろうと思います。

2013/12/18

てぃだかんかん (金城浩二、沖縄サンゴ保護活動家)

サブタイトル : 海とサンゴと小さな奇跡
Advantage : 情熱/家族の愛/行動力
Key : 本/映画/日本/男性/環境問題/海/沖縄/人間力大賞

Info :  http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093878890

      DVD

   てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~ [DVD]

 てぃだかんかん(=太陽がかんかん照り)が良く似合う、“美ら海”を取り戻すんだ。子供たちに残すんだ。

 金城浩二さん、生粋の海人。職業コーラルマンとしてサンゴ再生活動に励んでいる。
1998年より、サンゴの養殖に取り組み、2004年に世界初の養殖サンゴ産卵を成功させる。
2007年、人間力大賞等を授与される。
現在も海の種代表、NPO理事長としてサンゴ再生活動中。

 発端は1998年。死んで白化した大量のサンゴを見つけて驚愕した。
この時、調べてみると、1970年代と比べて、沖縄の9割以上のサンゴが消えていたことを知った。このままでは、30年後に世界中のサンゴが絶滅するとも言われていた。しかも、地球の海の約0.2%の海しかサンゴは生存しておらず、沖縄はその貴重な一地域である。

そして、誓う。
 俺が元の海に戻してやる!
今やらなきゃダメだ!
これからはお金じゃなく、自分が死ぬときに後悔するか、しないか。それをモノサシにして生きていこう。
生き物を相手にウソの無い仕事をしていこう。

 うーん、考えさせられる誓いです。

 ここで、Save the earth, Save the ocean!、Act Now!!!と思った人は沢山いるでしょう。しかし、その内の何人が、誰が立ち上がり、Actionしたでしょうか。ダイバー、サーファー、釣り人etc,etc,,,,
 だから、私は金城さんはエライ!と言いたいです。
 そして、前例が無く、今やっていることが正しいのか、否か、先が予測できない状況で活動を継続中。少しずつ前進しながら、活動資金を借金として負いながら、未来に向かっている志に、もう一度エライ!&ありがとう、と言いたい気持ちになりました。

 一般人の金城さんは、0から手探りで活動を始めました。
本書に書かれているように、回り道や詐欺被害、その間に雪だるま式に膨れ上がる借金(活動資金)を抱えたりと、不器用に、でも正直に多難な道を歩んできたことが分かります。
金城さんのピンチを救うのは、いつも、家族の言葉です。“家族が全ての原動力”と言い切れるって、とても素敵だと思います。

「お父さんなら、きっとできるよ。」と、飛び切りの笑顔の奥さん。
・・・・3人目の子供が生まれる直前、仕事を辞めてコーラルマンに転身を決めた時

「海を上等にするお父ちゃんの方がカッコイイ。」と、子供。
・・・・活動資金の借金、生活苦で、サンゴ活動を辞めるか悩んだ時

「家なんか失ってもいい。たとえ家が無くなっても、私も子供たちもお父さんについていくよ。」と、奥さん。・・・・詐欺被害で更に多額の借金を負い、途方にくれて死を考えた時

 こんなこと言われたら、号泣してしまう。そして、ナンクルナイサーって頑張る気力が湧いてきそうです。
 彼の“てぃだ”(=太陽)は奥さんに違いない。“てぃだ”の光に照らされて、これからも輝いてほしいと思います。

2013/12/17

イルカと墜落 (沢木耕太郎、作家/ルポライター)

サブタイトル : 沢木氏、ブラジルで危機一髪
Advantage : 未知の世界/幸せの意味/社会の豊かさ
Key : 本/TV番組/男性/日本/ライター/冒険/環境問題 

Info : http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167209155

        NHKスペシャル 2003年6月22日放送
       沢木耕太郎 アマゾン思索紀行  「隔絶された人々 イゾラド」     



 2001年、NHK番組の取材のために初のブラジルへ、さらに未開のジャングルへと旅立った沢木氏。
ミッションは、文明と未接触のイゾラド(=インディオ)の取材です。
そして、何とジャングルへ向かうために乗り込んだセスナが墜落してしまうのです。

 “窓の外の熱帯雨林がぐんぐん近づいてくる。どうやらこの飛行機は墜ちるらしい”
そして、墜落の瞬間、咄嗟に思ったことは、“マジかよっ”。

 家族や自分の運命のことではなく、取材同行スタッフの口癖“マジ”だったことに、本人も後から驚いたようです。小説のような事件に直面すると、アッという間で、理性的に考える余裕なんて無いのかもしれません。セスナは大破し、死傷者が出なかったのが不思議な程の大事故だったのに、とにかく、全員軽症で何よりだと思いました。

 こんな奇跡の事件の当事者となった沢木氏、相変わらず淡々と、沢木ワールドで語っていきます。生と死は背中合わせ、死は直ぐ隣にあるもの、自分は今までやりたいことをたくさんやってきたから、死への恐怖や生への執着はそんなに無いと気づいた、と経験を振り返っています。

 この物語には、もう一人のKeyパーソンがいます。
ブラジルのジャングル奥地には、未確認、未接触のイゾラド(=インディオ)が相当数いるそうで、ブラジル政府の組織によって調査、管理されています。
その組織のリーダー、ポスエロ氏です。強烈なカリスマ、アクション漫画のヒーローのように豪快で明るく、不屈の精神の持ち主のようで、人間力にグイグイ引き込まれます。

 下記の言葉は、印象的でした。
ポスエロ氏が彼らとの接触、失敗と後悔の中で考え、たどり着いた信じるべきもの。身を尽くすべき理由なのでしょう。
幸せとは何か?自分の立場は?自分がやるべきことは?自分たち文明人は、上から目線で助けたり、守ってあげるヒーローでも、正義でもない。

ポスエロ氏の言葉:

 イゾラドが、イゾラドとして生まれて、そのまま自然に死んでいく。それが一番美しいことだ。
僕はその美学、理想を実現するためだけの理由で、僕の仕事を、任務を行っている。
できるだけ文明に触れさせないことだ。彼らが、あるがままにジャングルで楽しく暮らすことだ。

 イゾラドの数は減少していて、やがて絶滅するのは時間の問題だ。
僕らは、それをできるだけ引き伸ばしているにすぎない。
だって白人がここにやって来てからの所業を考えてごらん、僕らは最後の時間をもらって、彼らにできることをするしかないんだ。


 私はこの取材から完成した番組
沢木耕太郎 アマゾン思索紀行  「隔絶された人々 イゾラド」
を観ていないのですが、それは沢木氏のこんな語りで始まり、終わるそうです。
取材の裏舞台であるこの本の、ポスエロ氏の言葉を重ねるとき、魅惑的なフレーズは一層深みを帯びて響きます。
幸せとは何だ、考えさせられます。

 不思議な話を聞いたのだ。
ある時、2人のイゾラドが忽然と現れた。
近隣数百キロ範囲のイゾラドとは異なる言語と文化を持ち、彼らは何者か、何所から来たのか、まさに忽然と現れたのである。

(アウレとアウラと名付けられた2人の話し声が風に乗って聞こえてくる)
しゃべっているね。
そうだね。あの声が消える時、あの1つの文化も地球上から消えて亡くなるんだ。

2013/12/16

バックビート (スチュワート・サトクリフ、もう1人のビートルズ)

原題 : BACKBEAT
Advantage : 情熱/友情/愛/ビートルズの青春
Key : 映画/男性/海外/アーティスト/音楽/ビートルズ

Info : DVD

バックビート BACKBEAT
 
 蒼い光の色。
例えるなら、冬の朝、どこまでも冴え渡って、悲しくて、優しい。
それでいて、未知の春を待ちかまえるような、凛とした光。
時代x映像x音楽が創り出す、この世界が好きです、真っ先に思い浮かぶイメージが、この色です。

 1960年のビートルズ、リヴァプールでメジャーを夢みていた青春時代の話。
ビートルズの5人目のメンバー、スチュワート・サトクリフのStoryです。

 19歳のスチュは、美術学校で親しくなったジョンに誘われ、一緒にバンド活動を始めます。
メンバーと一緒に飲んだり、喧嘩したり、エネルギッシュに若さを堪能する生活を楽しんでいました。そんな中、巡業で出かけたドイツのハンブルグで、スチュは、生涯の恋人となる女性写真家アストリッド・キルヒヘルと劇的な出逢いをします。

 アストリッドのアートに生きる姿を見ているうちに感化され、自分が本当にやりたいことを見つめなおします。そして、アストリッドと共に過ごし、アートに生きる道を選びました。
元々、美術学校では天才的なアートの才能を発揮していたスチュ、アートよりも音楽に心奪われて活躍していくジョン。
お互いに、自分には無い才能を認め合い、心の中ではリスペクトしあう関係を大切にしていました。しかし、バンド活動が軌道に乗ってきた矢先のこと、其々の強い個性と葛藤がぶつかり合います。ジョンもアストリッドに恋心を抱いていたため、割り切れない思い、友情、夢、気持ちは一層高ぶり、心は複雑に乱れます。

 決別は決定的なものに思われましたが、それでも、バンドがメジャーへの道を掴んだ時、考えに考えたジョンは、スチュを迎えに行くのです。スチュはジョンの気持ちを噛み締めながら断り、直後に頭の腫瘍によって倒れます。
それから21歳で亡くなる日まで、全力でアストリッドへの愛と、アートへの情熱を燃やし続けました。
それは、ビートルズのメジャーレコードを受け取った日でした。

 ジョンの静かな優しさ、仲間への愛を感じます。
そして青春の楽しさ、美しさと残酷さ。

もし、スチュがメンバーとしての道を選んでいたら。
アストリッドの恋人がジョンだったら。

 人生の分岐点て分からない、自分の選択 vs 運命の力。
今を生きることが、運命に働きかけていると思いたい。


関連Info : サントラ 

バックビート

カーネル・サンダースの教え (KFC創業者) 

サブタイトル : 人生は何度でも勝負できる
Advantage : ポジティブ/バイタリティ/七転び八起き/ビジネス哲学/痛快な生き方
Key : 本/男性/海外/ビジネス/実業家/KFC

Info :  http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14181



 ご存知、KFCの顔、カーネルおじさん。
カーネル・サンダース、本名ハーランド・サンダース(カーネルは名誉称号)。

 色んな意味で、こんなにも面白さ満載の、様々な人生の事件(本人的には“チャンス”)を打破しながら進んで来たヒトなんだ、「下町のフェニックスおじさん」と呼びたくなってしまいます。
愛と敬意を込めてです、KFCさんゴメンなさい。 
今まで知らなかった、波乱万丈で七転び八起きの人生、想像以上でした。

初めての仕事をクビになる(10歳)
志願兵になってキューバで戦う(15歳)
吊橋のロープが切れ、車ごと崖下に転落。重症を負う(36歳)
商売敵と銃撃戦 
数度の破産、火事で全焼等
20回以上の転職
無一文の65歳からKFCビジネス起業

 絶対絶命の場面をくぐり抜けて、というか、自ずから好んで突き進んでいく結果のようにも思えますが、その度に自分の哲学と信念をGetしていきます。
 そして、ブレません。
この哲学を徹底する事、徹底する根幹となる個性の頑固さが、顧客と仕事仲間を惹きつけ、ビジネスの成功に繋がったということが解ります。

「神様は、何か特別なことをワシにさせるために、命を救ったのではないか。」

Myルール、10歳で初仕事をクビになった時に誓ったルール
   できることは全てやれ
   やることは最善をつくせ

心のスローガン、ロータリークラブで心を打たれた言葉
   最も奉仕する物が最大の利益を得る
   
4つのテスト、ロータリークラブで学んだビジネスのリトマス紙
   1) 嘘偽りはないか
   2) 関与する全ての人に公正か
   3) 信用と信頼を築けるか
   4) 関与する全ての人に利益があるか    

 これらの哲学徹底を支える、個性、キャラクターを表すエピソードも数多く含まれています。
組織的には不調をきたすほどの公正さ(そのせいで会社をクビになったり)、熱血漢で人情家、かなり口が悪くて喧嘩っ早い。。。
中でも、完璧主義―品質に自信が無いものは絶対に売らないという誇りと追求心―、超ポジティブでバイタリティに溢れている点が印象的で、ビジネス成功に大きく作用したと思います。

 苦境の時ほどチャンスと捕らえ、何度でもアタックしていきます。
例えば、経営していたモーテル&レストランが火事だと聞いて、大慌てで現場に向かいます。最悪は全焼か、状況が分からないまま再建プランを必死に考え、まだ煙がくすぶる中に、建設業者を連れて現れたというのです。なんというポジティブthinking&バイタリティ!

ド根性というよりも、とにかく超ポジティブで、悲壮な感じは受けません。
いつも状態は、“On”、“Movement”、止まると死んでしまうマグロ、いや、フェニックスのようです。

 無一文の65歳でKFC創業、ダテではありません。
失敗の数だけ学んできたビジネス哲学と人生、人柄もうかがえる内容は、親近感とワクワク満載のビジネス本です。

 最後に、生まれながらのショーマン、セールスマンで、自らも広告塔のカーネルおじさんは、PR戦略に長けていました。
広告コピー It's Finger Lickin' Good 指を舐めるほど美味しい、名作だと思います。
あの匂いを思い出し、食べたくなるのは私だけ?


関連Info : KFC公式サイト カーネル物語 http://japan.kfc.co.jp/tale/

        本  ぼくのフライドチキンはおいしいよ  
       
ぼくのフライドチキンはおいしいよ