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Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

2014/07/23

我が志アフリカにあり (島岡 強、天命は革命家)

Advantage : 冒険/人間力/情熱/頑張る気力UP挑戦
Key : 本/男性/日本/アフリカ独立革命/アパルトヘイト 

Info : 本

商品の詳細商品の詳細


 島岡 強(1964~)。横浜育ち、通称カクメイジ、職業は革命家。
タイトルそのままに、志はアフリカ独立革命、そのために天命を受け、生かされている。
奥様の島岡由美子さんによって書かれた実話。
19歳の日本男児が、人類の飢えを無くすため、そして大嫌いな人種差別があるのはアフリカだ!と奮起し、NOプランでアフリカへ戦いに行く奮闘記録です。

読んでいて、とにかく体当たりの勢いにビックリ、人物伝としては超特殊と思ったので、不思議な、心配になってしまうポイントを挙げてみます。


・ミッションが壮大すぎる。

世界で最も飢えが酷いのはアフリカ、大嫌いな人種差別アパルトヘイト政策をぶち壊す。
革命とは武力によるものだけでなく、現地の人々の制度打開の意思と時が必要で、打開後の新システムも彼らが創り、営んでいかなければならない。
→→→貧しい市民の生活を自分も体験し、理解した後に、第一次産業(農業、林業、漁業等)を興して協力しよう。カストロのように革命後も一切の責任を負いながら、銃の無い続けよう。


・19歳で志に体当たり。数々の難題をクリアしていく、戦う姿勢に拍手。数々の珍事件は痛快。

具体的な目標やプランを初めに掲げず、現地の様子を理解してから考えていく。
今のようにネットで情報収集できない時代、しかもアフリカの僻地、カルチャーショックをものともせず、勢いで行き当たりばったりに進んでいく、タフさと行動力は凄い。
その原動力である志と自信、その自信は何所から来るのか?
先ずは第一次産業を興して協力することがアフリカを救う手助けになるといっても、専門知識と経験は皆無、現地人の生活をして必要なものを見極めてから興すわけで、そもそも何を始めるのか決めていないNOプランなのに。


・現代日本において、どのようにカクメイジが育つのか?
 お父さんの教育方針、子供時代のエピソードは想定外レベル。

主人公の強さんは、子供の頃から父親によってカクメイジとなるべく教育されて育ったそう。
父親はメッカに日本人として2番目に巡礼したり、若い頃から世界の舞台で名を残す人物となることを志していた人物。我が子に小学生の頃から孟子の本を与えて問答をし、志を達成するために「定職につくな。日本で仕事をするな。免許や資格を取るな。結婚はするな。」、「自分を磨け、魂を磨け。」と連呼。
強さんは、当然のように高校生の頃にアフリカを救うことを決意し、19歳で大学を中退すると、単身アフリカに乗り込んで行く。
アフリカで数々のトラブルに遭遇しても、着手可能な小さなことからコツコツとを実践しようという心構えがブレることなく、いつもニコニコ楽しんでいる様子は、さすがカクメイジと思う。


・ザンジバル島で漁業を始め、地元民と心を通わせながら奮闘中。
 今後の展開、成果はどうなるのか?


 最後に気になったことを言ってしまいます。
筆者である奥様が綴る心情描写から、筆者は強さんに従うばかりで依存し過ぎているのではないか、自己主張が無さ過ぎると随所に感じてしまう書き方です。
奥様は強さんが23歳で一時帰国したのを機に結婚、共にアフリカに渡ります。それまで海外に興味が無かったのかもしれないけど、覚悟して行ったのは自分でしょう、とイラツキを感じてしまうのは私だけ?最終的にはそんな自分だけど、少しは変わろうと思った的に結ばれていましたが。

2014/07/21

ソウル・サーファー (べサニー・ハミルトン、プロサーファー)

原題 : SOUL SURFER
Advantage : 情熱/勇気/絆/サーファーの魂
Key : 本/映画/女性/海外/海/サーフィン 

Info: 本/DVD

ソウル・サーファーソウル・サーファー DVD


 べサニー・ハミルトン(1990~)、ハワイ在住のプロサーファー。
2003年 13歳の時、サーフィン中にサメに片腕を食いちぎられる事故にあう
2004年 ティーン・チョイス・アワードの特別賞(全米で最も尊敬される10代の人として選ばれる)
2005年 NSSA(全米アマチュアサーファーで最も権威ある大会)のチャンピオンとなる
現在   プロサーファーとして活躍中。
     人々を勇気付ける支援やボランティア活動に、精力的に協力参加している 


 べサニーは、ハワイ在住の美少女“片腕のサーファー”としてメディアにも多く取り上げられた時期があり、日本でも、特にサーファーには知られている存在です。
一般報道では、見た目の美しさ、将来を期待されていたサーファー少女の片腕がサメに食いちぎられるというショッキングな事故、劇的なカムバックと活躍という部分が注目されがちだと思います。
この本を読んで印象的だったのは、彼女のサーフィンへの情熱と才能、努力という面よりも、むしろ、それらを形成し、支える生活環境、家族愛について語られるていること、浮かび上がってくるベーシックな人間性、QOLについて考えさせられます。

“神様は、私に片腕を失うという事故を巡り合わせたのは、今後の生活をより良いものとするためのお心です。皆さんの愛に感謝します。”
“片腕だからできないということは殆どない。やり方を変えて、それを自分のものにしていくだけ。”
“私の経験が少しでも役に立つなら、勇気を与えることができたら、それが私の使命。”と、TVや講演に積極的に参加。

本に描かれていない、本人にしか解らない不安や葛藤は沢山あったであろう生活の中で、確かに、勇気と努力は素晴らしく、賞賛に値するものだと思います。
ただ、13~14歳の少女の、事故後間もない発言としては、落ちすぎ過ぎているような悟り感に、違和感を感じました。何となく共感しにくい、自分だったら同じような立派な行動、振る舞い、強い意志を保つことができるのか、と考えてしまいます。彼女を支えたパワーとは?
  
  13歳の心と体は、順応性と可能性が高い。
  宗教愛を大きな心の拠り所とした人生観を持っている。
  家族環境による愛、QOLの概念が強い信念となっている。
  サーフィンが大好きという情熱、目標が明確。

 両親は共にハワイの海とサーフィンに魅せられて、アメリカの他の土地から移住。サーフィン中心の生活、そのために仕事も選択。ハワイの地のパワーを感じ、お金や地位とは無縁の人類愛、隣人と協力し合って穏やかに過ごすことに価値を見出していきます。
そんな家族の中で育ち、サーフィン、家族愛、宗教愛が幸福の価値、QOLであることが明確です。

 まっしぐらなQOL感、そういう人生に憧れる部分もあります。
海とサーフィンが大好きで、人の役に立つために生きるべサニー、これからも活躍してほしいです。

パッチ・アダムス いま、みんなに伝えたいこと―愛と笑いと癒し (ハンター・アダムス、医学博士)

Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/社会貢献
Key : 本/映画/男性/アメリカ/パッチ・アダムス 

Info:
パッチ・アダムス いま、みんなに伝えたいこと―愛と笑いと癒し















 本名ハンター・アダムス(1945~)。アメリカ合衆国の医学博士、医師として初めてホスピタルクラウン/クラウニングを治療に取り入れた。現在、賛同する世界中の医療関係者に“愛と笑い”を広める伝道師として、夢の病院を設立するために、精力的に活動中。

 少年時代に家族の死にショックを受け、精神病棟に入院していた経験を持ち、医師を志しました。ところが、夢を抱いて入学した医学部では、患者とその家族の心に寄り添う理想の医師に巡り合ったのは、たった一人。現実の医療システムと権威主義へ疑問を感じ、学生時代から愛と笑いが人を癒すことを信じて、クラウニングを始め、そのまま仲間と無料診療所の運営に挑戦します。
このプロジェクトは、貧しい人々が医療を受けられないという、アメリカ医療保険システムの社会問題に挑戦するもの、同時に、人を信じること、愛と笑いが大切なものであることの証明でした。
12年間続いたプロジェクト期間中、無料診療、24時間受け入れ、共同生活、睡眠時間は3、4時間ほどだったそうですが、愛とユーモアが生活と仕事の基盤であるので、苦労とか、辛い気持ちは無く、自分達のことながら「人類史上初のバカバカしい病院なんだから」と受け止めていたそうです。
自分がなりたい自分でいることが一番大切、人間的であることは「自分は何かをやってみせる」と考えることだ、、、、パッチ・アダムスの言葉です。


 医療は絶対にお金にならない。
医療はお金を儲けることとは反対の極にあり、つまり、大切なのは愛することなんだ。
ソウルメイト、心の中で愛せる相手を見つけることが大切なんだ。

理想を語るのは簡単かもしれませんが、実現に向けて行動するには大きすぎる課題、ほとんどの人は目を瞑るのではないでしょうか。
パッチ・アダムスの尊敬すべきところは、人として「自分は何かをやってみせる」と考え、夢に向かって突き進む行動力とパワー、そして、求心力=人間力だと思います。
12年間の無料診療時代も、日本人にありがちな義務や根性論からの献身とは異なり、自分が信じることだから、自分は医者を志し、医者となったからには当然取り組むべき道と捉えている考え方が印象的です。人の心と体を癒す医者、医者である自分が自分であるので、オフだから、プライベートだからという区切りは無いし、ストレスに感じることも無いそうです。


 家族や友人から見放された孤独な患者、余命宣告の意味。。。。
パッチ・アダムスはどんな人々に出逢い、想い、喜び、愛、死、夢について感じてきたのか?
大切な人、家族が病気の人に是非読んでほしい本です。
私ももっと前に読んでいれば、涙が出ました。


関連Info:


ケアすること 愛すること
パッチ・アダムス [DVD]
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ホスピタルクラウン 病院に笑いを届ける道化師 (Sanctuary books)