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2014/07/15

マイケル・ムーア、語る。 (マイケル・ムーア、ドキュメンタリー映画監督)

原題 : Here Comes Trouble
Advantage : 不屈の精神/人間力/面白い/笑えます
Key : 本/男性/海外/映画監督/ドキュメンタリー/戦争/政治

Info : 

マイケル・ムーア、語る。


 マイケル・ムーアといえば、マイノリティー擁護、大統領批判、ドキュメンタリー映画にこだわる社会派。
これはマイケル・ムーア自身がユーモアと皮肉たっぷりな口調で語る、怒涛の自伝。笑えます。
子供時代から、イラク戦争を批判して非国民的な扱いを受けながらも、自分は間違ってない!とパワフルに復活する時代までの気持ちや裏舞台が描かれています。

実際のところ、大胆な行動、発言と口の悪さのインパクトが強すぎるために、クレイジーとか超ヴァイタリティー溢れる、悪童、爆撃機みたいだ・・・といったイメージが先行し、彼のアクションの真意については深く考えたことがありませんでした。唯一、ドキュメンタリー映画作品を観て、視点に感心、推察するくらいでした。
「ブッシュ大統領、恥を知れ」・・・2003年イラク戦争が始まって5日目、“ボーリング フォー コロンバイン”のアカデミー賞授賞式での爆弾演説は、アメリカに、世界に激震を与えた行動として最も有名でしょう。その経緯、強制退場させられてから自分と家族の命が狙われる状況についての詳細は、10年が過ぎた今だから明かすことができる内容でもあり、その時賛同した人々や社会状況、善悪の判断について考えさせられます。

敬虔なクリスチャンの家庭で、家族愛に恵まれて育ったこと。
神学校に進学して、超真面目に勉強し、神の存在について考えて過ごした少年期の葛藤があり、最終的には成績優秀にもかかわらず、教師を質問攻めにするからという理由で退学になったこと。
それらのバックグラウンドを前半で読んだ後だけに、マイケル・ムーアのナイーブで真面目、やさしい顔が浮かび上がってきて、いままでの人物像や作品に対するイメージがかなり変わって映りました。
けれども、マイケル・ムーアについて一番感じたこと、根本的なアイデンティティーは、社会的立場に窮しても信念を貫き、その方法を捻り出して行動するヴァイタリティー、自己主張の強さと自信。
やはり、すごくアメリカ的なものに支えられて成り立っているんだなと感じました。
日本では、こういうキャラクターは存在があまり認められない、成長過程で消されてしまいますよね。

関連Info: DVD


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2013/12/13

マンデラの名もなき看守 (ジェームス・グレゴリー、マンデラ氏を見守り続けた看守)

原題 : Goodbye Bafana
Advantage : 不屈の精神/人間力/勇気/信念
Key : 映画/男性/海外/ノーベル賞/マンデラ/リーダー/南アフリカ 

Info : DVD

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 ノーベル平和賞受賞者、南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏が2013年12月05日に永眠されました。追悼の意をこめて、この映画を紹介したいと思います。 

 これは、マンデラ氏の苦難に満ちた長いアパルトヘイト闘争の中、27年にも及ぶ収監生活のほとんどを見続けてきた白人看守ジェームス・グレゴリーの手記を元に、1990年2月11日の歴史的な釈放日を掴むまでが綴られた映画です。
当時の社会情勢において、白人の視点であること、マンデラ氏に許可を得て映画化された経緯は貴重であり、政治が全てを巻き込んで家族や愛の問題に直面する時のマンデラ氏の姿、人間力が第三者の眼で語られていることに大きな意義があると思います。

 ジェームスは現地のコサ語や習慣に親しんで育ってきた過程で、黒人の幼馴染バファナとの関係や社会情勢の変化に気づき、受け入れるしかない心の葛藤を忘れようとして生活していました。ある時、コサ語が解るということでマンデラ氏の担当看守、つまりスパイに抜擢されることから始まります。

 白人と黒人、看守と囚人という立場から、始めは言葉を交わすことも少ないままに時は経過していきます。それでも日々の態度や考え方に接し、心に敬意と親しみが芽生え始めたました。そんな矢先、コサ語で知りえたマンデラ氏の息子のちょっとした情報を何気なく報告すると、数日後、その息子が疑惑の事故で死亡してしまいます。
ジェームスが罪悪感からお悔やみを述べると、苦悩に打ちひしがれた様子のマンデラ氏は、
「黒人と白人が平等な権利を持つ国が実現すると素晴らしいと思わないか?君は自由憲章を知らないのか?」と言います。
弁護士らしい答えですが、自分の信念と行動を貫くことで多くの同士が殺され、自分の一番大切な人までも失う心境は。。。アパルトヘイトに対する嫌悪と自由平等を実現するための闘争、誰かを憎んで人殺しをする戦争とは明らかに異なるという信念、人間性が現れている言葉だと思います、こんな最悪の闇の中においても。
それよりも、その言葉を聞いた時のジェームスの心は。。。。

 後年、ジェームスは何かとマンデラ氏にも気にかけてもらっていた自分の息子を、事故で亡くします。自分のスパイ行為のために命を失った人達、その家族の痛みを身をもって知り、後悔し、絶望して、マンデラ氏に真実を打ち明ける手紙を出します。
それでもマンデラ氏は、「知っていたよ。君は職務を遂行しただけじゃないか。」と責めませんでした。

 最後に、釈放されるマンデラ氏をテレビで見ながら、自由憲章を開くジェームスの姿で映画は幕を閉じます。

 監禁された塀の中で、来る日も来る日も新たな苦難に絶えるだけ。そんな状況の中でどれほど政治的信念=大儀、家族や愛、社会の理不尽さについて考えたことでしょう。
光を見ていた、光を失わなかったマンデラ氏の心は優しくて、とても強い。他の人には真似できない、世界の賞賛に値する素晴らしい生き方だと思います。
ただ、彼がこの人生を望んだかというとそうではなく、時や社会がそうさせたのであって、ずっと家族と共に楽しく過ごすような別の人生もあったのかと思うと悲しいです。

 今でも世界では人種や民族による差別や悲劇は続いています。
罪無き子供達までもが犠牲になる残酷なニュース映像を見ると心が痛み、人間の醜さや社会の不条理さに怒りを感じながら、それに勝つことができない無力さで、眼を背けたくなります。
 世界中で自由憲章を実現することは簡単ではないけれども、マンデラ氏の生き方を尊敬し、思い出すことは大切なことだと思います。
 眼を背けずに、光を見続けた。そして、その深遠な闘争に一生を捧げたマンデラ氏の信念と意思が、多くの人々に引き継がれることを願ってやみません。

関連Info : 映画 インビクタス/負けざる者たち Invictas    本 インビクタス 負けざる者たち

                     本 自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝  ← 映画化決定、近日公開