add

Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

ラベル 頑張る気力UP の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 頑張る気力UP の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014/07/28

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 (レイ・クロック、マクドナルド創業者)

原題 : GRINDING IT OUT
Advantage : 情熱/挑戦したくなる/人間力/頑張る気力UP
Key : 本/男性/海外/実業家/マクドナルド/社会貢献 

Info : 

成功はゴミ箱の中に ─レイ・クロック自伝

 マクドナルド創業者レイ・クロック(1902-1984)の自伝、自筆による歴史と信念が書かれています。52歳でハンバーガービジネスに出会い、その将来性を直感し、新たなビジネスに挑み、パイオニアとしてのスタイルと精神を確立していく歩み、節々でのレイ・クロックの言葉と思いが綴られています。
マクドナルドと聞いて誰もがイメージすること、アメリカ自由経済のアイコン、フランチャイズ経営の象徴。
この本を読むと、それは、同時にレイが、“世界一、億万長者を生んだ男”である、“世界一、億万長者を育てたビジネスマン、経営者”である姿をフォーカスし、浮かび上がらせます。
これを可能にした最大の特色は、巨大企業の経営者というよりも、レイの徹底したビジネスマン信念と目線からのジャッジとアクションにあると思いました。

 巨大フランチャイズ企業のパイオニア、入院している子供のために家族宿泊施設を作る等のCSR活動の面でも尊敬される企業であるのに、レイがリスクを乗り越え、進んできた道のりを語る口調は、解りやすく、親近感があります。

それは、レイがマクドナルド事業に取り組む52歳までのビジネスマン経験を、明白な信念としているからです。・・・・・ビジネスマンとして洞察力と視点。ビジネスが面白いから追いかけて、拡大することを夢見る。金を崇拝したこともないし、金のために働いたこともない。・・・・・

また、マクドナルド社員皆を成功へ導くことを楽しむ姿勢、教育哲学が魅力的だからです。
・・・・・仕事に誇りを持って、「働くこと、働かされること」を楽しめなくてはならない。
幸福とはその人次第、どれだけ頑張れたか、努力したかによって得られるものだから、誰かに与えることはできない。唯一できることは幸福を追う自由を与えることだ。・・・・・

次の言葉は、私がレイの金言で一番深く感じたものです。

・・・・・やり遂げろ---この世界で継続ほど価値のあるものはない。
    才能は違う---才能はあっても失敗している人は沢山いる。
    天才も違う---恵まれなかった天才は諺になるほどこの世にいる。
    教育も違う---世界には教育を受けた落伍者が溢れている。
    信念と継続だけが全能である。

 等身大の言葉がグッときます。
レイは勤勉で、パイオニア精神に溢れた努力家だと思います。それがマクドナルドを成功に導いた原動力であることは周知の事実です。
ですが、この自伝を読む限りでは、稀に見る才能に恵まれた人でも、突飛な行動に走る変わり者でも、浮世離れした大胆な賭博師でも無い、平凡で善良な一市民のようです。
そんなレイが成し遂げた偉業は、つまりは、信念の持ちよう、やり遂げることにあると言っているのですから、リアルにシンパシーを感じやすい、具体的に考えやすい、夢を持ちやすいと思いました。

 ソフトバンクの孫さん、ユニクロの柳井さんも人生のバイブルとしている本だそうです。
企業愛とビジネス信念に比重が大きい、自伝の内でもビジネスよりの内容です。

2014/07/27

プラネタリウムを作りました。 (大平貴之、一般人・プラネタリウム製作者)

Sub : 7畳間で生まれた410万の星
Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/頑張る気力UP
Key : 本/男性/日本/プラネタリウム/メガスター

Info : 本

プラネタリウムを作りました。【改訂版】

 大平貴之さん(1970~)、世界一のアマチュアのプラネタリウム作り人。
小学三年生の時、近所のプラネタリウムの星空を初めて見た感動が全ての始まり。
星空への興味、プラネタリウムを作りたいという探究心は、自室の7畳間の内で無限に拡がっていき、とうとう世界最高峰410万もの星を映し出すプラネタリウム開発に成功しました。
世界中の技術者やメーカーが成し得なかった快挙を、個人の趣味の延長でやり遂げたのです。
自分の理想とするプラネタリウムを作りたいという思いのために考え、行動し続けるのみ。とてもシンプルで美しい、でも簡単ではないことを達成した、夢を追うお話です。

 子供のままのような純粋な気持ちを持ち続け、追い続けていたら、夢を叶えることができました。
そして、その大好きなこと、ライフワークが仕事となり、生きる意味、がんばる価値でもあります、というキラキラコツコツ型、真っ直ぐな情熱、さわやかな感動を受けるお話です。
人生の早い時期に、最大の興味・目的に出会って確信し、一途に夢を向かっていく、貫く意志、環境と運(例えば音楽家が聴力を失ったり、アスリートが怪我して人生の目的を転換しなくてはならないシチュエーションではなく)には、純粋に憧れます。
 好きなことor安定した別の就職、夢に挫折しそう、一旦は就職したけど夢を諦め切れなくて迷っている時、迷っている人には、感じるところが大きい内容だと思います。
 
もちろん、大平さんには、他の人が簡単に真似できない事を達成できた理由があります。
真面目、好奇心旺盛、とことん突き詰める性格。失敗の連続にもめげずに継続する根気と努力。最終的には全部を包み込んでしまう生来の楽天家的思考が根底にあると思いました。

 アマチュアといっても、機械工学を専攻、大学院終了まで研究し、電機メーカーに就職という経歴を持ち、1998年に社会人の一般個人参加にて国際プラネタリウム協会で“初代メガスター”を発表、快挙を成し遂げます。
その道程には、小学生の時にプラネタリウムを見て、興奮のままに直ぐに自室の天井に蛍光塗料で天体図を書くと、家族が喜んでくれたことに発し、宇宙ではなく、宇宙の星空を作り出すメカに興味を持つに至る経緯。
そのために機械工学を専攻しますが、プラネタリウム作りを7畳の自室で、独学で、何度も試行錯誤していくには、天体知識と計算、機械の素材、組み立てる工学技術、それをプレゼンする英語等、多様な勉強をする必要がある等、様々なクリアすべき壁がありました。
ネットもなかった子供時代には、何かを調べたり、調達するためには、電話をかけまくったそうです。大学時代には、専攻外のプログラミングの知識、実践機種とするための知識と経験をメーカーのアルバイトで勉強する、プラネタリウム投影機の材料資金を稼ぐために休学までして没頭しています。 

そして今は、制作した意味、制作を探求していく意味や価値を、経験を通じて自問し続けながら、活動の空間を拡大中だそうです。

太平さんの言葉の一部:

  星空を作りたいという願望は、美しいものを作りたいという願望。
  美を創り出すアート作業であり、アーティストが心の中の宇宙を描き出す行為と、
  外にある宇宙を自然科学で描き出す行為は繋がっている。。。。。

この世界最高レベルのプラネタリウムのシリーズは、メガスターと命名されていて、東京では日本科学未来館に常設されています。
子供達への教育、アート、イベントや結婚式など、進化しながら新しい挑戦を続けていているメガスター、WEBも素敵です。http://www.megastar.jp/

2014/07/23

我が志アフリカにあり (島岡 強、天命は革命家)

Advantage : 冒険/人間力/情熱/頑張る気力UP挑戦
Key : 本/男性/日本/アフリカ独立革命/アパルトヘイト 

Info : 本

商品の詳細商品の詳細


 島岡 強(1964~)。横浜育ち、通称カクメイジ、職業は革命家。
タイトルそのままに、志はアフリカ独立革命、そのために天命を受け、生かされている。
奥様の島岡由美子さんによって書かれた実話。
19歳の日本男児が、人類の飢えを無くすため、そして大嫌いな人種差別があるのはアフリカだ!と奮起し、NOプランでアフリカへ戦いに行く奮闘記録です。

読んでいて、とにかく体当たりの勢いにビックリ、人物伝としては超特殊と思ったので、不思議な、心配になってしまうポイントを挙げてみます。


・ミッションが壮大すぎる。

世界で最も飢えが酷いのはアフリカ、大嫌いな人種差別アパルトヘイト政策をぶち壊す。
革命とは武力によるものだけでなく、現地の人々の制度打開の意思と時が必要で、打開後の新システムも彼らが創り、営んでいかなければならない。
→→→貧しい市民の生活を自分も体験し、理解した後に、第一次産業(農業、林業、漁業等)を興して協力しよう。カストロのように革命後も一切の責任を負いながら、銃の無い続けよう。


・19歳で志に体当たり。数々の難題をクリアしていく、戦う姿勢に拍手。数々の珍事件は痛快。

具体的な目標やプランを初めに掲げず、現地の様子を理解してから考えていく。
今のようにネットで情報収集できない時代、しかもアフリカの僻地、カルチャーショックをものともせず、勢いで行き当たりばったりに進んでいく、タフさと行動力は凄い。
その原動力である志と自信、その自信は何所から来るのか?
先ずは第一次産業を興して協力することがアフリカを救う手助けになるといっても、専門知識と経験は皆無、現地人の生活をして必要なものを見極めてから興すわけで、そもそも何を始めるのか決めていないNOプランなのに。


・現代日本において、どのようにカクメイジが育つのか?
 お父さんの教育方針、子供時代のエピソードは想定外レベル。

主人公の強さんは、子供の頃から父親によってカクメイジとなるべく教育されて育ったそう。
父親はメッカに日本人として2番目に巡礼したり、若い頃から世界の舞台で名を残す人物となることを志していた人物。我が子に小学生の頃から孟子の本を与えて問答をし、志を達成するために「定職につくな。日本で仕事をするな。免許や資格を取るな。結婚はするな。」、「自分を磨け、魂を磨け。」と連呼。
強さんは、当然のように高校生の頃にアフリカを救うことを決意し、19歳で大学を中退すると、単身アフリカに乗り込んで行く。
アフリカで数々のトラブルに遭遇しても、着手可能な小さなことからコツコツとを実践しようという心構えがブレることなく、いつもニコニコ楽しんでいる様子は、さすがカクメイジと思う。


・ザンジバル島で漁業を始め、地元民と心を通わせながら奮闘中。
 今後の展開、成果はどうなるのか?


 最後に気になったことを言ってしまいます。
筆者である奥様が綴る心情描写から、筆者は強さんに従うばかりで依存し過ぎているのではないか、自己主張が無さ過ぎると随所に感じてしまう書き方です。
奥様は強さんが23歳で一時帰国したのを機に結婚、共にアフリカに渡ります。それまで海外に興味が無かったのかもしれないけど、覚悟して行ったのは自分でしょう、とイラツキを感じてしまうのは私だけ?最終的にはそんな自分だけど、少しは変わろうと思った的に結ばれていましたが。

2014/07/21

ソウル・サーファー (べサニー・ハミルトン、プロサーファー)

原題 : SOUL SURFER
Advantage : 情熱/勇気/絆/サーファーの魂
Key : 本/映画/女性/海外/海/サーフィン 

Info: 本/DVD

ソウル・サーファーソウル・サーファー DVD


 べサニー・ハミルトン(1990~)、ハワイ在住のプロサーファー。
2003年 13歳の時、サーフィン中にサメに片腕を食いちぎられる事故にあう
2004年 ティーン・チョイス・アワードの特別賞(全米で最も尊敬される10代の人として選ばれる)
2005年 NSSA(全米アマチュアサーファーで最も権威ある大会)のチャンピオンとなる
現在   プロサーファーとして活躍中。
     人々を勇気付ける支援やボランティア活動に、精力的に協力参加している 


 べサニーは、ハワイ在住の美少女“片腕のサーファー”としてメディアにも多く取り上げられた時期があり、日本でも、特にサーファーには知られている存在です。
一般報道では、見た目の美しさ、将来を期待されていたサーファー少女の片腕がサメに食いちぎられるというショッキングな事故、劇的なカムバックと活躍という部分が注目されがちだと思います。
この本を読んで印象的だったのは、彼女のサーフィンへの情熱と才能、努力という面よりも、むしろ、それらを形成し、支える生活環境、家族愛について語られるていること、浮かび上がってくるベーシックな人間性、QOLについて考えさせられます。

“神様は、私に片腕を失うという事故を巡り合わせたのは、今後の生活をより良いものとするためのお心です。皆さんの愛に感謝します。”
“片腕だからできないということは殆どない。やり方を変えて、それを自分のものにしていくだけ。”
“私の経験が少しでも役に立つなら、勇気を与えることができたら、それが私の使命。”と、TVや講演に積極的に参加。

本に描かれていない、本人にしか解らない不安や葛藤は沢山あったであろう生活の中で、確かに、勇気と努力は素晴らしく、賞賛に値するものだと思います。
ただ、13~14歳の少女の、事故後間もない発言としては、落ちすぎ過ぎているような悟り感に、違和感を感じました。何となく共感しにくい、自分だったら同じような立派な行動、振る舞い、強い意志を保つことができるのか、と考えてしまいます。彼女を支えたパワーとは?
  
  13歳の心と体は、順応性と可能性が高い。
  宗教愛を大きな心の拠り所とした人生観を持っている。
  家族環境による愛、QOLの概念が強い信念となっている。
  サーフィンが大好きという情熱、目標が明確。

 両親は共にハワイの海とサーフィンに魅せられて、アメリカの他の土地から移住。サーフィン中心の生活、そのために仕事も選択。ハワイの地のパワーを感じ、お金や地位とは無縁の人類愛、隣人と協力し合って穏やかに過ごすことに価値を見出していきます。
そんな家族の中で育ち、サーフィン、家族愛、宗教愛が幸福の価値、QOLであることが明確です。

 まっしぐらなQOL感、そういう人生に憧れる部分もあります。
海とサーフィンが大好きで、人の役に立つために生きるべサニー、これからも活躍してほしいです。

2014/07/18

フラガール (一般人、スパリゾートハワイアンズ)

Advantage : 挑戦したくなる/情熱/がんばる気力UP
Key : 本/映画/日本/福島/スパリゾートハワイアンズ/復興支援

Info:
フラガール
本 2006映画原作
フラガールスタンダード・エディション [DVD]
映画 2006





 










 フラガール ~ 2006年に公開されたこの映画、ご存知の方も多いでしょう。
 なぜ今になって“フラガール”を読み直してみたのか?
夏に向けてスパリゾートハワイアンズのCMを目にする機会が多くなり、楽しそう、行きたいな、そういえば・・・と、ふと思いました。
TVでジャンジャンCMをしているなんて、相変わらず旅行会社への依存度を抑え、ほぼ自社力でマーケティングと集客を頑張っているな。PR費に大きな予算を使えるのは収益が上がっているから、新たな事業展開にも挑んでいるようだ。
2011年東日本大震災の被災地ど真ん中にあって、元気なパワーをふりまいている。復興と支援活動のアイコン的存在となるべく努めた企業理念、行動力は誰もが認めるところ。。。。

昭和41年、福島県のいわき市に誕生した常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)がオープンするまでの奮闘物語です。
東北の田舎、荒廃感漂う炭鉱で、町の存亡をかけた事業に取り組む人々が、保守的な過去へのこだわりや人間関係のシガラミを打ち破り、日本で始めての概念“アミューズメントパーク、リゾート”施設事業設立とフラダンスへの希望と情熱を追った、舞台裏の記録です。

映画では俳優のキャラクターも当たり、前を向いて頑張ろう、フラダンスの魅力と情熱が伝わってくる、明るい印象でした。本を読むと(映画のシナリオ的なものなので、サラッと読みやすいのですが)、映像が無い分、あの時代、東北の超田舎にある炭鉱町での挑戦と困難、関係者の葛藤という面について、もっと考えさせられました。日本初のアミューズメントパークというビジネス、しかも東北に南国ハワイのフラダンスというカルチャーショックを乗り越えて、よく信念を貫いたと思います。

時代背景もあると思いますが、素人、未経験でもチャレンジできる。
恐れず、あきらめず、信念を一貫する。
人々と世の中を明るく、元気にする一端を担う。
こんな企業DNAが根底に流れているのかな?と思いつつ、2012年に制作された東北復興支援DVD、
“がんばっぺ フラガール!”も鑑賞してみました。

参考Info:
がんばっぺ フラガール!  ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】
DVD 2012復興支援


2014/07/16

幸せへのキセキ 動物園を買った家族の物語 (ベンジャミン・ミー、ジャーナリスト)

原題 : We Bought a Zoo
Advantage : 幸福の意味/命、病気について/挑戦したくなる/頑張る気力UP/心温まる
Key : 本/映画/男性/海外/ジャーナリスト/ダートムーア動物学公園

Info :    映画

  幸せへのキセキ [DVD]

 イギリス人ジャーナリストのベンジャミン・ミーが、突如、破綻した動物園を買い取ってから、約1年をかけて2007年7月に新規オープンを果たすまで、夢のような真実の物語。
ある時に運命的なキーが幾つか現れて、それを掴み取ろうとする意思と決断が重なった時、人生は劇的に変わる、変えることができるということを証明するような、お伽噺のようなストーリーだと思います。
経験も知識もなく、いきなり荒廃した動物園を買って園長となってしまったベンジャミン本人が、戸惑い、驚き、興奮しながら、自身のジャーナリストとしての眼を通した現実を書き綴っていくストーリーは読みやすく、客観的な面もありつつ、心温まるヒューマンストーリーとして完成されています。
また、動物の生態観察についても、一般の、いわゆる素人目線での感動が生き生きと描かれています。

ベンジャミンの場合のキーは、ロンドン郊外で暮らしていた父親が亡くなって、母親が余生を過ごす新たな家を探していた機会、妻のキャサリンに脳腫瘍が見つかった運命的な出来事。そんな時に、動物園売り出し処分の不動産広告を見つけた妹が“兄さんの夢のシナリオよ”と送ってきたという、3つのリンクです。

 生きる意味、家族の愛について考えて悩んだ時、ただ一般の動物好きのジャーナリストが惹かれたもの、巡り合ったのが、動物園という別世界での生活と挑戦だったという感じです。
それを可能にしたのが家族の結束~ロンドン郊外の家を売り払って同居した元気な母親、4人の兄弟とその家族、妻キャサリンと2人の子供達と、まさに一丸となって進むこと~、それから、ベンジャミンの好奇心旺盛、冒険に憧れる少年のような性格によるところが大きいと思いました。
引っ越して4日目にジャガーが脱走したり、動物園運営の細かな規則や資金繰り、学会との軋轢、スタッフとの信頼関係など、問題は山積みでしたが、家族や友人と力を合わせて一つ一つクリアしていきます。

 約1年後に新生ダートムーア動物学公園をオープンするに至りますが、残念ながらその日を待たずに最愛の妻キャサリンが亡くなってしまいます。
脳腫瘍の症状が進行するにつれ、言葉と体の自由が奪われていく最後の日々の中で、どんな状態でも大好きなキャサリンはキャサリンで、2人で過ごす時間がとても嬉しい様子。ロンドンでの多忙で、華やかなジャーナリストとしての生活では分かち合えなかった和やかな気持ちと親密な時間に感謝する気持ち。キャサリンの余命を子供達に告げる時の気持ちと、長男マイロの言葉“ぼくは泣きたくない。パパのために強くなりたいんだ。”に自分の家族がダブり、心が痛くなりました。
愛する人を失う絶望は誰もが同じで、ベンジャミンも仕事への無力感、何を見てもキャサリンを思い出してしまう悲しみに沈みます。
ただ、最後まで希望を持ち続け、希望を共有して生きてきたという事実は、キャサリンにも、周りの家族にも、何にも変えられないものであったと思います。そのために、未知の世界へ進む、生活を完全に転換する勇気を持ち、行動したことを尊敬します。

 現在、動物保護と自然環境学習を目的に掲げ、多くの人が集うことを目指すダートムーア動物学公園は、異業種からの視点とアイデアも盛り込んで挑戦を続けているようです。
2006年に動物園購入に興味を持った40歳くらいの一人の男性が、翌2007年に動物園の園長となって出発する経緯は、ある程度の資金とチャンス、身を投じる勇気があれば、他の人でも実現できたかもしれない物語で、遠い世界や時代の話ではありません。だからこそ、人間味やシンパシーをを感じ、実際に行動する勇気を持った稀な人、作者ベンジャミン、関係者を応援したい気持ちになるのだと思いました。

この本が原作となった映画では、舞台がアメリカだったり、妻キャサリンが亡くなってから動物園に住むことを決める等、多少の違いがあるようです。でも、田舎の風景や動物達の迫力あるビジュアルがあって、こちらもとても魅力的な作品だと思います。

2014/07/13

さかな の なみだ (さかなクン、お魚イラストレーター)

Advantage : 情熱/人間力
Key : 本/絵本/男性/日本/イラストレーター/魚/海洋生物学/心温まる/いじめ 

Info : 




 さかなクンの素朴な言葉が、トツトツと並べられているシンプルな絵本。
自分の“いじめ”に関する体験を、さかなの世界に映して、さかなクンの視線で語っています。
その内容は、決していじめ加害者を非難するものでも、説教じみた教訓風でもありません。
自身の体験を通した結果として語られている言葉は多弁では無いけれど、雄弁。誠実で、前向きで、心に染みます。
結びのフレーズ・・・・広い空の下、広い海へ出てみましょう。・・・・素敵だと思います。

子供から大人まで、心温まる、ふっと心が笑顔になる絵本だと思います。
最後に、さかなクンの生い立ちとイラストがチョッと載っています。好きな“魚”を貫く情熱と純粋さ、勇気、それを見守る家族環境に、なるほど!です。タコにはまって、タコ博士になりたかった子供時代の話には親近感を感じ、笑ってしまいました。

2014/01/15

OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 (佐藤芳之、実業家)

サブタイトル : 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語
Advantage : 情熱/ヒトの品格/リーダー像/農業開発者
Key : 本/男性/海外/企業家/社会貢献/OUT OF AFRICA/ケニア 

Info :


佐藤芳之さん、1939年生まれ。
 日本の大学卒業後にアフリカへ渡り、1975年35歳の時にケニア・ナッツ・カンパニーを設立。
年商30億円、アフリカ有数の食品カンパニーに育て上げる。
2008年、タダ同然で全てをケニア人に託し、会社を去る。
現在、更に一歩進んだソーシャル・エンタープライズとして、バクテリアを利用した新たなビジネスに挑戦中。

<佐藤さんが毎日眺める言葉、自分を鼓舞する言葉>
   "Dream as if you'll live forever. Live as if you'll die today." -  by James Dean
      永遠に生きるかのごとく夢を抱き、今日死ぬかのごとく生きよ.

<座右の銘>
  “貫く棒の如きもの” 高浜虚子の一句より

・・・・意識の中に一本芯のようなものをしっかり持っていること。
そうすれば、回り道や遠回りしても修正がきくという感覚がある。
学生時代に的が絞れていないと批判された好奇心旺盛さからの、沢山の行動は、キラキラと光る色んな破片をパラパラと撒き散らしていたのではないか。
成長するにつれ、キラキラの破片が収束して光になっていけばいい。
それは、何か1つのものに向かって一直線な生き方とは正反対のもの。
情熱を燃やし続け、途中で変化を受け入れて挑戦する勇気を持ち続けること。

カッコイイ。
太く長く生きたいと言い切る、佐藤さんの静かな強さ、生き方の美学をこの本で読んだ後では、なおさらカッコよく響く言葉です。2つに共通したものを感じます。


 他の有名経営者と明らかに異種なこと、それは佐藤さん自論のカンパニー理想像、それを率いるリーダーの役目(リーダー像)です。
 政治・文化的に不安定なアフリカの情勢の中に単身乗り込み、現地の人々が幸せだと感じる大規模カンパニーと経済の仕組みを築き、根付かせた功績は、社会的にも大きな意味を持ちます。
このような偉業を成し遂げたのに、その過程で、気負ったところ、義務感、正義感を押し付けがましく表さない、常に低姿勢で語り、苦労もさらっと話していくところがスゴイです。
本人が述べているように、会社経営も人との関わりも極力シンプルに、シンプルにと意識的に徹底しているのが解ります。この姿勢に、全ての経営論、生き方が集約されていると思います。

 自分も含め、アフリカに共感する人々によって、アフリカの地に足をつけて、理想のカンパニーの姿を実現したかった、それが社会的貢献をも担って関係者皆がハッピーなら更に良い、そのために進んできたかのようです。
役目が終わった時には、風のようにさっと立ち去る。誰かのために、社会のために、これをやらなくてはということに動かされていない。自分の生き方の美学を実現しながら、必然に導かれて進んできたというスタンスを貫いていて、とても潔く、清清しく感じます。
 
<理想の会社とは?>
・会社の目標は具体的に、“皆でちゃんと食べられる”を掲げる。
・この会社に就職するのは、自分の仕事を生み出すこと。つまり創職することなんだよ。
・社員たちに利益の可能性を話すより、やりたいという気持ちを話した。
 やりたいという気持ちがあると、エキスパートが集まってきて軌道に乗る。
 カンパニーとは仲間で分かち合うものなんだ。
・利益は全て再投資と従業員へ還元。
・自分の職能が見つかった人は、どんどん独立して自分で仕事をしなさい。
 社員というのは自由な意思を持った個人、会社が縛ったりするものではない。

 経営者としての功績もさることながら、人間力と生き方の美学を称賛したいと思う内容でした。
同じ日本人として誇りに思います。

2014/01/01

建築家、走る (隈研吾、建築家)

Advantage : 挑戦/情熱/マネージメント力
Key : 本/男性/日本/建築/歌舞伎座 

Info :

 建築家、走る

 建築家、隈研吾さんがフランクに語りかけてくれる自伝的建築哲学論です。
ずばり、隈さんの人間力が秘められた本だと思います。
2013年春に完成した新歌舞伎座“GINZA KABUKIZA”の建て替えを手掛ける等、世界を駆け巡って活躍する隈さんの歴史、建築家としての経験と考察を自己哲学として確立していくプロセスを、社会、文化、経済情勢やニーズ、ミッションとして関連付けながら、熱く、そして客観的な両方の視点から語っています。

新歌舞伎座”、国内地方建築に集中していた時代の初期作品“石の美術館”にまつわる経緯や学術的記述には特に興味を引かれ、感銘を受けました。
それ以上に、人間クマケンゴの芯にスポットライトが当てられ、浮き彫りになる「弱いぼく」の姿と、「自称ニヒリスト」の捻くれた思考が顕にされていることが面白く、そのフィルターを通して改めて作品を感じ、強く魅せられました。

印象深かった隈さんの歴史、言葉を、幾つか挙げてみたいと思います。

 建築家になりたいと思ったのは、1964年小学4年生の時、丹下健三作品の代々木体育館に足を踏み入れて、美しい屋根の曲線を舐めるようにして降り注ぐ光を見た時だそうです。
・・・天職、人並みはずれた創造の才能って、運命の啓示ってものがあるのかなと思いました。

 そもそも自分を永久に幸せにしてくれる資産なんてものは無い。
ぼくも諦めを知ってから、人生も、建築も、本当に面白くなりました。

 反20世紀的な建築(反アメリカ的建築)を目指すこととは、その場所でしかできない、際立って特別な建築を創ること。
右手の機能を失ってから、その場所が発する声や気に耳をすませたり、眼を凝らしたりすることができるようになった。
・・・スケッチ力に優れ、自信を持っていた右手に怪我を負った時、あえてリハビリをしないまま、不自由さを選んだ。頭の中の思考や技術より、感覚、感性が重要だと改めて気づいたから。

 (東日本大震災の)復興のための建築は、「これからの生き方」を考えるということ。
次の社会へと転換させるアイデアでなくてはならない。

 日本人の自然観で自分たちの歴史を生きる。
作り続けて、壊れ続けてを繰り返す。つまり、「死に続ける建築」。


 分刻みのスケジュールで世界中のコンペに走り、次のステージでは、施主/クライアントや現場と折り合いながら解決策を探っていくしかないと、舞台裏の状況や心境を正直に吐露している部分もあります。
 建築家に求められているものは、この困難な時代のソリューションであると自覚し、どんなことがあろうとも、挑戦と創造性は基本楽しさであるということ、全てを受けとめている強さを感じます。
 世界的な視野、マネージメント力、求心力に優れていなければ、天才の創造力や知識を表舞台で発揮し、現世界の第一線を走り続けることはできないということを、身を持って示してくれているのだと思います。

 「何かが生まれるプロセスを、真剣な思いの人たちと共有する楽しみ」
これが一番大切なこと、バイタリティの源なんだろう。
人間として、クリエイターとして魅力的な言葉だと思います。


隈さんの最新作品(2013年12月現在)。
表参道のSunny Hillsパイナップルケーキ屋 さんに行ってみた。#隈研吾#sunny hills#写真
http://www.sunnyhills.co.jp/news.php



2013/12/23

なんのために生まれてきたの? (やなせたかし、漫画家/作家)

Advantage : 勇気/情熱/不屈の精神
Key : 本/自伝/男性/日本/漫画家/作家/アンパンマン 

Info :  http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-78300-0

何のために生まれてきたの?

 アンパンマンの生みの親、やなせたかし氏の93歳までの人生の歩み、思いが語られている自伝です。これは、数ヵ月後の2013年10月13日に94歳で亡くなるまで、輝き続けた命の最後のメッセージです。
生きる悲しみと喜びに向かい合う言葉は、一層深く、優しく感じられ、波のように心に打ち寄せてきます。

 「なんのために生まれて なんのために生きるのか」
子供には大きくて、難しすぎると思われる、アンパンマンのテーマ曲。
東日本大震災の後に、最も多くリクエストされた曲でもあります。
 その誕生の背景を読むと、私の前に、リアルなヒーロー“アンパンマン”が出現し、理屈抜きで純真な子供たちに愛される理由が解ったような気がしました。
 愛と、勇気と、何か、があって、人々に希望を感じさせるのです。
その何かとは、人生の大きな2つの経験に裏づけされた力で、やなせ氏が、最後まで現役で、元気に生きぬいた意思の源でした。

その2つの経験とは?

・ 長い下積み時代
  40代まで代表作が無く、60代でアンパンマンが大ヒット。
  「人生に無駄なことは何一つ無い。やり続けることが大事。」

・ 戦争体験
  弟を失う。食べ物が無い時代。正義について考える。

 この経験を背負って生まれてきたアンパンマンは、なるほど、世界の美しい部分だけでなく、生きることの現実を素直に表している、“弱いヒーロー”だと気づきます。
弱いけど、正義の心は世界一強いヒーローの姿。これがストレートに心に響いて、多くの人を惹きつける理由なのでしょう。

顔を飢えた人に食べさせる
・・・食べ物を分け与えることは、何時でも何所でも、世界の正義。でも、正義を行うには、自分が傷ついたり、犠牲が伴う。

傷つきやすいヒーロー
・・・顔が濡れるとピンチ。すぐにジャムおじさんに助けてもらう。

素手で戦う
・・・弱いけど、絶対武器は使わない。使命は、食べ物を分け与えることだから。

戦う相手は悪
・・・ミクロのバイキンは目に見える姿を持つ敵ではない。戦争や病気などの悪の象徴と戦っている。

 アンパンマンって深い、深いです。
やなせたかし先生、愛と勇気をありがとう。素敵なメッセージをありがとう。

2013/12/20

おにいちゃんのハナビ (一般人の実話、引きこもり)

Advantage : 勇気/家族の愛/心の弱さ
Key : 本/映画/男性/日本/一般人
Info :
    DVD

おにいちゃんのハナビ (朝日文庫)おにいちゃんのハナビ [DVD]

 実話を元にした小説(脚本)、病弱な妹の運命を見守る苦しさ、死に直面した絶望、それから愛するヒトの死を受け入れ、自分にできることを考えて歩き出すまでの、「心の旅」の物語です。
ある一人のおにいちゃん、太郎の、妹ハナを大切に思う気持ち、自分を変えようと歩みだす勇気、“ハナに捧げる花火”を作る姿に感動します。
 そして、その特別な“ハナの花火”が天国に向かって花開いた次に、“おにいちゃんの花火”が、太郎のためにサプライズで打ち上げられます。

 一家がハナの療養のために、東京から移住してきた地、新潟県小千谷市片貝町では、花火祭りに「奉納花火」を打ち上げる風習があります。全ての花火は、人生の節目を祝う気持ちを込めた奉納花火なのだそうです。
 
 二人はとても仲の良い兄弟でしたが、いつも家族、生活の中心はハナという環境で育ち、太郎は自分の本心を言えないまま過ごしてきました。段々と心の歪みが大きくなり、誰にも心を開かない中学、高校生活を送り、ハナの死が避けられない状況になった時に、とうとう心が折れて、引きこもりになってしまいました。
しかし、どんな時も努めて明るく、必死におにいちゃんを励まして、引っ張り出そうとするハナの健気さに心動かされ、始めはハナと二人一緒に、少しずつ外と交流を持とうと動き始めます。
 しかし、ハナは楽しみにしていた花火祭りを待たずに亡くなり、引きこもり脱出のリハビリ中の太郎は、深い悲しみを前向きに生きる力に変えて進む決心をします。そして、“ハナに捧げる花火”を
上げる、その花火も自分で作ると誓います。
 
 引きこもりからの脱出、一大決心だったと思います。ハナのために頑張るおにいちゃんを、そっと見守ってきた人々、ハナの友人等、周りの沢山の人達からの気持ちで、「あなたの頑張る姿に励まされました」というアナウンスで打ち上げられます。
これ実話、泣ける話です。

 一歩踏み出す自分の勇気、それから、ハナと周囲の温かい気持ちが結びついて咲いた花は、心に染みる美しさだっただろうと思います。

2013/12/18

てぃだかんかん (金城浩二、沖縄サンゴ保護活動家)

サブタイトル : 海とサンゴと小さな奇跡
Advantage : 情熱/家族の愛/行動力
Key : 本/映画/日本/男性/環境問題/海/沖縄/人間力大賞

Info :  http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093878890

      DVD

   てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~ [DVD]

 てぃだかんかん(=太陽がかんかん照り)が良く似合う、“美ら海”を取り戻すんだ。子供たちに残すんだ。

 金城浩二さん、生粋の海人。職業コーラルマンとしてサンゴ再生活動に励んでいる。
1998年より、サンゴの養殖に取り組み、2004年に世界初の養殖サンゴ産卵を成功させる。
2007年、人間力大賞等を授与される。
現在も海の種代表、NPO理事長としてサンゴ再生活動中。

 発端は1998年。死んで白化した大量のサンゴを見つけて驚愕した。
この時、調べてみると、1970年代と比べて、沖縄の9割以上のサンゴが消えていたことを知った。このままでは、30年後に世界中のサンゴが絶滅するとも言われていた。しかも、地球の海の約0.2%の海しかサンゴは生存しておらず、沖縄はその貴重な一地域である。

そして、誓う。
 俺が元の海に戻してやる!
今やらなきゃダメだ!
これからはお金じゃなく、自分が死ぬときに後悔するか、しないか。それをモノサシにして生きていこう。
生き物を相手にウソの無い仕事をしていこう。

 うーん、考えさせられる誓いです。

 ここで、Save the earth, Save the ocean!、Act Now!!!と思った人は沢山いるでしょう。しかし、その内の何人が、誰が立ち上がり、Actionしたでしょうか。ダイバー、サーファー、釣り人etc,etc,,,,
 だから、私は金城さんはエライ!と言いたいです。
 そして、前例が無く、今やっていることが正しいのか、否か、先が予測できない状況で活動を継続中。少しずつ前進しながら、活動資金を借金として負いながら、未来に向かっている志に、もう一度エライ!&ありがとう、と言いたい気持ちになりました。

 一般人の金城さんは、0から手探りで活動を始めました。
本書に書かれているように、回り道や詐欺被害、その間に雪だるま式に膨れ上がる借金(活動資金)を抱えたりと、不器用に、でも正直に多難な道を歩んできたことが分かります。
金城さんのピンチを救うのは、いつも、家族の言葉です。“家族が全ての原動力”と言い切れるって、とても素敵だと思います。

「お父さんなら、きっとできるよ。」と、飛び切りの笑顔の奥さん。
・・・・3人目の子供が生まれる直前、仕事を辞めてコーラルマンに転身を決めた時

「海を上等にするお父ちゃんの方がカッコイイ。」と、子供。
・・・・活動資金の借金、生活苦で、サンゴ活動を辞めるか悩んだ時

「家なんか失ってもいい。たとえ家が無くなっても、私も子供たちもお父さんについていくよ。」と、奥さん。・・・・詐欺被害で更に多額の借金を負い、途方にくれて死を考えた時

 こんなこと言われたら、号泣してしまう。そして、ナンクルナイサーって頑張る気力が湧いてきそうです。
 彼の“てぃだ”(=太陽)は奥さんに違いない。“てぃだ”の光に照らされて、これからも輝いてほしいと思います。

2013/12/13

マンデラの名もなき看守 (ジェームス・グレゴリー、マンデラ氏を見守り続けた看守)

原題 : Goodbye Bafana
Advantage : 不屈の精神/人間力/勇気/信念
Key : 映画/男性/海外/ノーベル賞/マンデラ/リーダー/南アフリカ 

Info : DVD

マンデラの名もなき看守 [DVD]


 ノーベル平和賞受賞者、南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏が2013年12月05日に永眠されました。追悼の意をこめて、この映画を紹介したいと思います。 

 これは、マンデラ氏の苦難に満ちた長いアパルトヘイト闘争の中、27年にも及ぶ収監生活のほとんどを見続けてきた白人看守ジェームス・グレゴリーの手記を元に、1990年2月11日の歴史的な釈放日を掴むまでが綴られた映画です。
当時の社会情勢において、白人の視点であること、マンデラ氏に許可を得て映画化された経緯は貴重であり、政治が全てを巻き込んで家族や愛の問題に直面する時のマンデラ氏の姿、人間力が第三者の眼で語られていることに大きな意義があると思います。

 ジェームスは現地のコサ語や習慣に親しんで育ってきた過程で、黒人の幼馴染バファナとの関係や社会情勢の変化に気づき、受け入れるしかない心の葛藤を忘れようとして生活していました。ある時、コサ語が解るということでマンデラ氏の担当看守、つまりスパイに抜擢されることから始まります。

 白人と黒人、看守と囚人という立場から、始めは言葉を交わすことも少ないままに時は経過していきます。それでも日々の態度や考え方に接し、心に敬意と親しみが芽生え始めたました。そんな矢先、コサ語で知りえたマンデラ氏の息子のちょっとした情報を何気なく報告すると、数日後、その息子が疑惑の事故で死亡してしまいます。
ジェームスが罪悪感からお悔やみを述べると、苦悩に打ちひしがれた様子のマンデラ氏は、
「黒人と白人が平等な権利を持つ国が実現すると素晴らしいと思わないか?君は自由憲章を知らないのか?」と言います。
弁護士らしい答えですが、自分の信念と行動を貫くことで多くの同士が殺され、自分の一番大切な人までも失う心境は。。。アパルトヘイトに対する嫌悪と自由平等を実現するための闘争、誰かを憎んで人殺しをする戦争とは明らかに異なるという信念、人間性が現れている言葉だと思います、こんな最悪の闇の中においても。
それよりも、その言葉を聞いた時のジェームスの心は。。。。

 後年、ジェームスは何かとマンデラ氏にも気にかけてもらっていた自分の息子を、事故で亡くします。自分のスパイ行為のために命を失った人達、その家族の痛みを身をもって知り、後悔し、絶望して、マンデラ氏に真実を打ち明ける手紙を出します。
それでもマンデラ氏は、「知っていたよ。君は職務を遂行しただけじゃないか。」と責めませんでした。

 最後に、釈放されるマンデラ氏をテレビで見ながら、自由憲章を開くジェームスの姿で映画は幕を閉じます。

 監禁された塀の中で、来る日も来る日も新たな苦難に絶えるだけ。そんな状況の中でどれほど政治的信念=大儀、家族や愛、社会の理不尽さについて考えたことでしょう。
光を見ていた、光を失わなかったマンデラ氏の心は優しくて、とても強い。他の人には真似できない、世界の賞賛に値する素晴らしい生き方だと思います。
ただ、彼がこの人生を望んだかというとそうではなく、時や社会がそうさせたのであって、ずっと家族と共に楽しく過ごすような別の人生もあったのかと思うと悲しいです。

 今でも世界では人種や民族による差別や悲劇は続いています。
罪無き子供達までもが犠牲になる残酷なニュース映像を見ると心が痛み、人間の醜さや社会の不条理さに怒りを感じながら、それに勝つことができない無力さで、眼を背けたくなります。
 世界中で自由憲章を実現することは簡単ではないけれども、マンデラ氏の生き方を尊敬し、思い出すことは大切なことだと思います。
 眼を背けずに、光を見続けた。そして、その深遠な闘争に一生を捧げたマンデラ氏の信念と意思が、多くの人々に引き継がれることを願ってやみません。

関連Info : 映画 インビクタス/負けざる者たち Invictas    本 インビクタス 負けざる者たち

                     本 自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝  ← 映画化決定、近日公開