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Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

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2014/07/28

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 (レイ・クロック、マクドナルド創業者)

原題 : GRINDING IT OUT
Advantage : 情熱/挑戦したくなる/人間力/頑張る気力UP
Key : 本/男性/海外/実業家/マクドナルド/社会貢献 

Info : 本

成功はゴミ箱の中に ─レイ・クロック自伝

 マクドナルド創業者レイ・クロック(1902-1984)の自伝、自筆による歴史と信念が書かれています。52歳でハンバーガービジネスに出会い、その将来性を直感し、新たなビジネスに挑み、パイオニアとしてのスタイルと精神を確立していく歩み、節々でのレイ・クロックの言葉と思いが綴られています。
マクドナルドと聞いて誰もがイメージすること、アメリカ自由経済のアイコン、フランチャイズ経営の象徴。
この本を読むと、それは、同時にレイが、“世界一、億万長者を生んだ男”である、“世界一、億万長者を育てたビジネスマン、経営者”である姿をフォーカスし、浮かび上がらせます。
これを可能にした最大の特色は、巨大企業の経営者というよりも、レイの徹底したビジネスマン信念と目線からのジャッジとアクションにあると思いました。

 巨大フランチャイズ企業のパイオニア、入院している子供のために家族宿泊施設を作る等のCSR活動の面でも尊敬される企業であるのに、レイがリスクを乗り越え、進んできた道のりを語る口調は、解りやすく、親近感があります。

それは、レイがマクドナルド事業に取り組む52歳までのビジネスマン経験を、明白な信念としているからです。・・・・・ビジネスマンとして洞察力と視点。ビジネスが面白いから追いかけて、拡大することを夢見る。金を崇拝したこともないし、金のために働いたこともない。・・・・・

また、マクドナルド社員皆を成功へ導くことを楽しむ姿勢、教育哲学が魅力的だからです。
・・・・・仕事に誇りを持って、「働くこと、働かされること」を楽しめなくてはならない。
幸福とはその人次第、どれだけ頑張れたか、努力したかによって得られるものだから、誰かに与えることはできない。唯一できることは幸福を追う自由を与えることだ。・・・・・

次の言葉は、私がレイの金言で一番深く感じたものです。

・・・・・やり遂げろ---この世界で継続ほど価値のあるものはない。
    才能は違う---才能はあっても失敗している人は沢山いる。
    天才も違う---恵まれなかった天才は諺になるほどこの世にいる。
    教育も違う---世界には教育を受けた落伍者が溢れている。
    信念と継続だけが全能である。

 等身大の言葉がグッときます。
レイは勤勉で、パイオニア精神に溢れた努力家だと思います。それがマクドナルドを成功に導いた原動力であることは周知の事実です。
ですが、この自伝を読む限りでは、稀に見る才能に恵まれた人でも、突飛な行動に走る変わり者でも、浮世離れした大胆な賭博師でも無い、平凡で善良な一市民のようです。
そんなレイが成し遂げた偉業は、つまりは、信念の持ちよう、やり遂げることにあると言っているのですから、リアルにシンパシーを感じやすい、具体的に考えやすい、夢を持ちやすいと思いました。

 ソフトバンクの孫さん、ユニクロの柳井さんも人生のバイブルとしている本だそうです。
企業愛とビジネス信念に比重が大きい、自伝の内でもビジネスよりの内容です。

2014/07/27

プラネタリウムを作りました。 (大平貴之、一般人・プラネタリウム製作者)

Sub : 7畳間で生まれた410万の星
Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/頑張る気力UP
Key : 本/男性/日本/プラネタリウム/メガスター

Info : 本

プラネタリウムを作りました。【改訂版】

 大平貴之さん(1970~)、世界一のアマチュアのプラネタリウム作り人。
小学三年生の時、近所のプラネタリウムの星空を初めて見た感動が全ての始まり。
星空への興味、プラネタリウムを作りたいという探究心は、自室の7畳間の内で無限に拡がっていき、とうとう世界最高峰410万もの星を映し出すプラネタリウム開発に成功しました。
世界中の技術者やメーカーが成し得なかった快挙を、個人の趣味の延長でやり遂げたのです。
自分の理想とするプラネタリウムを作りたいという思いのために考え、行動し続けるのみ。とてもシンプルで美しい、でも簡単ではないことを達成した、夢を追うお話です。

 子供のままのような純粋な気持ちを持ち続け、追い続けていたら、夢を叶えることができました。
そして、その大好きなこと、ライフワークが仕事となり、生きる意味、がんばる価値でもあります、というキラキラコツコツ型、真っ直ぐな情熱、さわやかな感動を受けるお話です。
人生の早い時期に、最大の興味・目的に出会って確信し、一途に夢を向かっていく、貫く意志、環境と運(例えば音楽家が聴力を失ったり、アスリートが怪我して人生の目的を転換しなくてはならないシチュエーションではなく)には、純粋に憧れます。
 好きなことor安定した別の就職、夢に挫折しそう、一旦は就職したけど夢を諦め切れなくて迷っている時、迷っている人には、感じるところが大きい内容だと思います。
 
もちろん、大平さんには、他の人が簡単に真似できない事を達成できた理由があります。
真面目、好奇心旺盛、とことん突き詰める性格。失敗の連続にもめげずに継続する根気と努力。最終的には全部を包み込んでしまう生来の楽天家的思考が根底にあると思いました。

 アマチュアといっても、機械工学を専攻、大学院終了まで研究し、電機メーカーに就職という経歴を持ち、1998年に社会人の一般個人参加にて国際プラネタリウム協会で“初代メガスター”を発表、快挙を成し遂げます。
その道程には、小学生の時にプラネタリウムを見て、興奮のままに直ぐに自室の天井に蛍光塗料で天体図を書くと、家族が喜んでくれたことに発し、宇宙ではなく、宇宙の星空を作り出すメカに興味を持つに至る経緯。
そのために機械工学を専攻しますが、プラネタリウム作りを7畳の自室で、独学で、何度も試行錯誤していくには、天体知識と計算、機械の素材、組み立てる工学技術、それをプレゼンする英語等、多様な勉強をする必要がある等、様々なクリアすべき壁がありました。
ネットもなかった子供時代には、何かを調べたり、調達するためには、電話をかけまくったそうです。大学時代には、専攻外のプログラミングの知識、実践機種とするための知識と経験をメーカーのアルバイトで勉強する、プラネタリウム投影機の材料資金を稼ぐために休学までして没頭しています。 

そして今は、制作した意味、制作を探求していく意味や価値を、経験を通じて自問し続けながら、活動の空間を拡大中だそうです。

太平さんの言葉の一部:

  星空を作りたいという願望は、美しいものを作りたいという願望。
  美を創り出すアート作業であり、アーティストが心の中の宇宙を描き出す行為と、
  外にある宇宙を自然科学で描き出す行為は繋がっている。。。。。

この世界最高レベルのプラネタリウムのシリーズは、メガスターと命名されていて、東京では日本科学未来館に常設されています。
子供達への教育、アート、イベントや結婚式など、進化しながら新しい挑戦を続けていているメガスター、WEBも素敵です。http://www.megastar.jp/

2014/07/21

パッチ・アダムス いま、みんなに伝えたいこと―愛と笑いと癒し (ハンター・アダムス、医学博士)

Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/社会貢献
Key : 本/映画/男性/アメリカ/パッチ・アダムス 

Info:
パッチ・アダムス いま、みんなに伝えたいこと―愛と笑いと癒し
本















 本名ハンター・アダムス(1945~)。アメリカ合衆国の医学博士、医師として初めてホスピタルクラウン/クラウニングを治療に取り入れた。現在、賛同する世界中の医療関係者に“愛と笑い”を広める伝道師として、夢の病院を設立するために、精力的に活動中。

 少年時代に家族の死にショックを受け、精神病棟に入院していた経験を持ち、医師を志しました。ところが、夢を抱いて入学した医学部では、患者とその家族の心に寄り添う理想の医師に巡り合ったのは、たった一人。現実の医療システムと権威主義へ疑問を感じ、学生時代から愛と笑いが人を癒すことを信じて、クラウニングを始め、そのまま仲間と無料診療所の運営に挑戦します。
このプロジェクトは、貧しい人々が医療を受けられないという、アメリカ医療保険システムの社会問題に挑戦するもの、同時に、人を信じること、愛と笑いが大切なものであることの証明でした。
12年間続いたプロジェクト期間中、無料診療、24時間受け入れ、共同生活、睡眠時間は3、4時間ほどだったそうですが、愛とユーモアが生活と仕事の基盤であるので、苦労とか、辛い気持ちは無く、自分達のことながら「人類史上初のバカバカしい病院なんだから」と受け止めていたそうです。
自分がなりたい自分でいることが一番大切、人間的であることは「自分は何かをやってみせる」と考えることだ、、、、パッチ・アダムスの言葉です。


 医療は絶対にお金にならない。
医療はお金を儲けることとは反対の極にあり、つまり、大切なのは愛することなんだ。
ソウルメイト、心の中で愛せる相手を見つけることが大切なんだ。

理想を語るのは簡単かもしれませんが、実現に向けて行動するには大きすぎる課題、ほとんどの人は目を瞑るのではないでしょうか。
パッチ・アダムスの尊敬すべきところは、人として「自分は何かをやってみせる」と考え、夢に向かって突き進む行動力とパワー、そして、求心力=人間力だと思います。
12年間の無料診療時代も、日本人にありがちな義務や根性論からの献身とは異なり、自分が信じることだから、自分は医者を志し、医者となったからには当然取り組むべき道と捉えている考え方が印象的です。人の心と体を癒す医者、医者である自分が自分であるので、オフだから、プライベートだからという区切りは無いし、ストレスに感じることも無いそうです。


 家族や友人から見放された孤独な患者、余命宣告の意味。。。。
パッチ・アダムスはどんな人々に出逢い、想い、喜び、愛、死、夢について感じてきたのか?
大切な人、家族が病気の人に是非読んでほしい本です。
私ももっと前に読んでいれば、涙が出ました。


関連Info:


ケアすること 愛すること
本
パッチ・アダムス [DVD]
DVD
ホスピタルクラウン 病院に笑いを届ける道化師 (Sanctuary books)
本

2014/07/17

チョコレートドーナツ (一般人、同性愛とダウン症について)

原題 : ANY DAY NOW
Advantage : 幸福の意味/勇気/命、病気について/心温まる/泣けます
Key : 本/男性/海外/同性愛/ダウン症

Info : 映画



 1970年代にアメリカのブルックリンであった実話。
無償の愛、家族愛、夢という大切で、シンプルなことが胸に染み込んできて、心がボワンとなるお話です。そして、ゲイへの偏見、ダウン症、社会の正義と不条理を問いかけるお話でもあります。

ルディはゲイバーで働きながら歌手を夢見るダンサー、ポールは離婚暦のある真面目な検察官、ダウン症の少年マルコ14歳。それぞれ心に傷を持ち、虚しさを感じながら生きていた3人がほぼ同じ時に出逢い、成り行きで数日の内に同居を始めます。
お金や地位が無くても、愛は誰でも手に入れることができる。そう信じられるようになった幸福な日々は、約一年間で終わりを告げます。型通りの法律的分類によると、ゲイのカップルによる障害児の保護養育には問題があるとして、マルコは保護施設に送られてしまいます。マルコが守られて、安全に、幸せに生活する方法を最優先することよりも、ゲイへの偏見が判決を決定したからです。

 麻薬中毒患者の母に育児放棄され、深夜に町をさまよっていたマルコを、隣人のルディが見かけ、連れて帰ったことからストーリーは始まります。家賃を払えないほどお金に窮していて、ゲイ野郎と罵られても、他人でダウン症のマルコを見放さず、守ろうとします。ポールは、ルディと共にマルコへ愛情を注ぎ、家族愛、無償の愛の尊さを初めて知り、お金や地位の意味を考えます。
引き離されたマルコともう一度暮らすために、ポールは法律家として知恵を絞り、再審を挑むのですが、意地悪な司法取引の策略によって、今度は完全な別離を言い渡されてしまいます。
社会を変えるために自分が何かしたいという情熱から法律家になり、最善の専門知識をもって戦っても、一人の少年を救うことができない。マルコの不幸な未来がわかりきっているのに。正義とは何か?法律は善人の味方ではないのか?
再び養育権利を取り戻した麻薬中毒の母親と生活することになったマルコは、それから暫くして、またも見放されて死んでしまいました。やるせない、悲しい結末です。

 1970年代、スモーキーでギラギラした町と人々、時代を映し出すスクリーンの色に惹かれました。
それを彩るミュージックが重要な役割を果たしていて、とても印象的です。
幸せの“Come to me”、全身全霊で謳い上げる哀愁、悲しみのソウルミュージック、ルディ役のアラン・カミングは素晴らしい!はまり役です。
そして、泣けるけど、わざとらしく無くて、視聴者にゆだねる的な淡々とした描写が良いです。

 当時のアメリカでは、今よりもっと同性愛をカミングアウトすることが躊躇われる、抑制され、強い偏見を持たれていたでしょう。今でこそアメリカの同性愛者は、オープンで自由なイメージがあるけれど、それは地域差がかなり大きいし、日本よりもよほど深く、複雑な問題であろうと思います。一部の保守的、宗教的な理由による反対派の偏見・差別・憎悪の度合いと主張は、相当激しいものだと思います。

 無償の愛、家族愛、同性愛、愛って難しい。愛って大切です。
 今ならば、マルコの養育保護をめぐる裁判は違った結果になっているのかな?世の中は良い方向へ向かっているのかな?

2014/07/16

幸せへのキセキ 動物園を買った家族の物語 (ベンジャミン・ミー、ジャーナリスト)

原題 : We Bought a Zoo
Advantage : 幸福の意味/命、病気について/挑戦したくなる/頑張る気力UP/心温まる
Key : 本/映画/男性/海外/ジャーナリスト/ダートムーア動物学公園

Info : 本   映画

  幸せへのキセキ [DVD]

 イギリス人ジャーナリストのベンジャミン・ミーが、突如、破綻した動物園を買い取ってから、約1年をかけて2007年7月に新規オープンを果たすまで、夢のような真実の物語。
ある時に運命的なキーが幾つか現れて、それを掴み取ろうとする意思と決断が重なった時、人生は劇的に変わる、変えることができるということを証明するような、お伽噺のようなストーリーだと思います。
経験も知識もなく、いきなり荒廃した動物園を買って園長となってしまったベンジャミン本人が、戸惑い、驚き、興奮しながら、自身のジャーナリストとしての眼を通した現実を書き綴っていくストーリーは読みやすく、客観的な面もありつつ、心温まるヒューマンストーリーとして完成されています。
また、動物の生態観察についても、一般の、いわゆる素人目線での感動が生き生きと描かれています。

ベンジャミンの場合のキーは、ロンドン郊外で暮らしていた父親が亡くなって、母親が余生を過ごす新たな家を探していた機会、妻のキャサリンに脳腫瘍が見つかった運命的な出来事。そんな時に、動物園売り出し処分の不動産広告を見つけた妹が“兄さんの夢のシナリオよ”と送ってきたという、3つのリンクです。

 生きる意味、家族の愛について考えて悩んだ時、ただ一般の動物好きのジャーナリストが惹かれたもの、巡り合ったのが、動物園という別世界での生活と挑戦だったという感じです。
それを可能にしたのが家族の結束~ロンドン郊外の家を売り払って同居した元気な母親、4人の兄弟とその家族、妻キャサリンと2人の子供達と、まさに一丸となって進むこと~、それから、ベンジャミンの好奇心旺盛、冒険に憧れる少年のような性格によるところが大きいと思いました。
引っ越して4日目にジャガーが脱走したり、動物園運営の細かな規則や資金繰り、学会との軋轢、スタッフとの信頼関係など、問題は山積みでしたが、家族や友人と力を合わせて一つ一つクリアしていきます。

 約1年後に新生ダートムーア動物学公園をオープンするに至りますが、残念ながらその日を待たずに最愛の妻キャサリンが亡くなってしまいます。
脳腫瘍の症状が進行するにつれ、言葉と体の自由が奪われていく最後の日々の中で、どんな状態でも大好きなキャサリンはキャサリンで、2人で過ごす時間がとても嬉しい様子。ロンドンでの多忙で、華やかなジャーナリストとしての生活では分かち合えなかった和やかな気持ちと親密な時間に感謝する気持ち。キャサリンの余命を子供達に告げる時の気持ちと、長男マイロの言葉“ぼくは泣きたくない。パパのために強くなりたいんだ。”に自分の家族がダブり、心が痛くなりました。
愛する人を失う絶望は誰もが同じで、ベンジャミンも仕事への無力感、何を見てもキャサリンを思い出してしまう悲しみに沈みます。
ただ、最後まで希望を持ち続け、希望を共有して生きてきたという事実は、キャサリンにも、周りの家族にも、何にも変えられないものであったと思います。そのために、未知の世界へ進む、生活を完全に転換する勇気を持ち、行動したことを尊敬します。

 現在、動物保護と自然環境学習を目的に掲げ、多くの人が集うことを目指すダートムーア動物学公園は、異業種からの視点とアイデアも盛り込んで挑戦を続けているようです。
2006年に動物園購入に興味を持った40歳くらいの一人の男性が、翌2007年に動物園の園長となって出発する経緯は、ある程度の資金とチャンス、身を投じる勇気があれば、他の人でも実現できたかもしれない物語で、遠い世界や時代の話ではありません。だからこそ、人間味やシンパシーをを感じ、実際に行動する勇気を持った稀な人、作者ベンジャミン、関係者を応援したい気持ちになるのだと思いました。

この本が原作となった映画では、舞台がアメリカだったり、妻キャサリンが亡くなってから動物園に住むことを決める等、多少の違いがあるようです。でも、田舎の風景や動物達の迫力あるビジュアルがあって、こちらもとても魅力的な作品だと思います。

2014/07/15

マイケル・ムーア、語る。 (マイケル・ムーア、ドキュメンタリー映画監督)

原題 : Here Comes Trouble
Advantage : 不屈の精神/人間力/面白い/笑えます
Key : 本/男性/海外/映画監督/ドキュメンタリー/戦争/政治

Info : 本

マイケル・ムーア、語る。


 マイケル・ムーアといえば、マイノリティー擁護、大統領批判、ドキュメンタリー映画にこだわる社会派。
これはマイケル・ムーア自身がユーモアと皮肉たっぷりな口調で語る、怒涛の自伝。笑えます。
子供時代から、イラク戦争を批判して非国民的な扱いを受けながらも、自分は間違ってない!とパワフルに復活する時代までの気持ちや裏舞台が描かれています。

実際のところ、大胆な行動、発言と口の悪さのインパクトが強すぎるために、クレイジーとか超ヴァイタリティー溢れる、悪童、爆撃機みたいだ・・・といったイメージが先行し、彼のアクションの真意については深く考えたことがありませんでした。唯一、ドキュメンタリー映画作品を観て、視点に感心、推察するくらいでした。
「ブッシュ大統領、恥を知れ」・・・2003年イラク戦争が始まって5日目、“ボーリング フォー コロンバイン”のアカデミー賞授賞式での爆弾演説は、アメリカに、世界に激震を与えた行動として最も有名でしょう。その経緯、強制退場させられてから自分と家族の命が狙われる状況についての詳細は、10年が過ぎた今だから明かすことができる内容でもあり、その時賛同した人々や社会状況、善悪の判断について考えさせられます。

敬虔なクリスチャンの家庭で、家族愛に恵まれて育ったこと。
神学校に進学して、超真面目に勉強し、神の存在について考えて過ごした少年期の葛藤があり、最終的には成績優秀にもかかわらず、教師を質問攻めにするからという理由で退学になったこと。
それらのバックグラウンドを前半で読んだ後だけに、マイケル・ムーアのナイーブで真面目、やさしい顔が浮かび上がってきて、いままでの人物像や作品に対するイメージがかなり変わって映りました。
けれども、マイケル・ムーアについて一番感じたこと、根本的なアイデンティティーは、社会的立場に窮しても信念を貫き、その方法を捻り出して行動するヴァイタリティー、自己主張の強さと自信。
やはり、すごくアメリカ的なものに支えられて成り立っているんだなと感じました。
日本では、こういうキャラクターは存在があまり認められない、成長過程で消されてしまいますよね。

関連Info: DVD


ボウリング・フォー・コロンバイン [DVD]ロジャー&ミー 特別版 [DVD]華氏 911 コレクターズ・エディション [DVD]



Sicko [DVD] [Import]インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 [DVD]スマイルBEST シッコ スタンダード・エディション [DVD]

2014/07/13

さかな の なみだ (さかなクン、お魚イラストレーター)

Advantage : 情熱/人間力
Key : 本/絵本/男性/日本/イラストレーター/魚/海洋生物学/心温まる/いじめ 

Info : 本




 さかなクンの素朴な言葉が、トツトツと並べられているシンプルな絵本。
自分の“いじめ”に関する体験を、さかなの世界に映して、さかなクンの視線で語っています。
その内容は、決していじめ加害者を非難するものでも、説教じみた教訓風でもありません。
自身の体験を通した結果として語られている言葉は多弁では無いけれど、雄弁。誠実で、前向きで、心に染みます。
結びのフレーズ・・・・広い空の下、広い海へ出てみましょう。・・・・素敵だと思います。

子供から大人まで、心温まる、ふっと心が笑顔になる絵本だと思います。
最後に、さかなクンの生い立ちとイラストがチョッと載っています。好きな“魚”を貫く情熱と純粋さ、勇気、それを見守る家族環境に、なるほど!です。タコにはまって、タコ博士になりたかった子供時代の話には親近感を感じ、笑ってしまいました。

2013/12/23

なんのために生まれてきたの? (やなせたかし、漫画家/作家)

Advantage : 勇気/情熱/不屈の精神
Key : 本/自伝/男性/日本/漫画家/作家/アンパンマン 

Info : 本 http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-78300-0

何のために生まれてきたの?

 アンパンマンの生みの親、やなせたかし氏の93歳までの人生の歩み、思いが語られている自伝です。これは、数ヵ月後の2013年10月13日に94歳で亡くなるまで、輝き続けた命の最後のメッセージです。
生きる悲しみと喜びに向かい合う言葉は、一層深く、優しく感じられ、波のように心に打ち寄せてきます。

 「なんのために生まれて なんのために生きるのか」
子供には大きくて、難しすぎると思われる、アンパンマンのテーマ曲。
東日本大震災の後に、最も多くリクエストされた曲でもあります。
 その誕生の背景を読むと、私の前に、リアルなヒーロー“アンパンマン”が出現し、理屈抜きで純真な子供たちに愛される理由が解ったような気がしました。
 愛と、勇気と、何か、があって、人々に希望を感じさせるのです。
その何かとは、人生の大きな2つの経験に裏づけされた力で、やなせ氏が、最後まで現役で、元気に生きぬいた意思の源でした。

その2つの経験とは?

・ 長い下積み時代
  40代まで代表作が無く、60代でアンパンマンが大ヒット。
  「人生に無駄なことは何一つ無い。やり続けることが大事。」

・ 戦争体験
  弟を失う。食べ物が無い時代。正義について考える。

 この経験を背負って生まれてきたアンパンマンは、なるほど、世界の美しい部分だけでなく、生きることの現実を素直に表している、“弱いヒーロー”だと気づきます。
弱いけど、正義の心は世界一強いヒーローの姿。これがストレートに心に響いて、多くの人を惹きつける理由なのでしょう。

顔を飢えた人に食べさせる
・・・食べ物を分け与えることは、何時でも何所でも、世界の正義。でも、正義を行うには、自分が傷ついたり、犠牲が伴う。

傷つきやすいヒーロー
・・・顔が濡れるとピンチ。すぐにジャムおじさんに助けてもらう。

素手で戦う
・・・弱いけど、絶対武器は使わない。使命は、食べ物を分け与えることだから。

戦う相手は悪
・・・ミクロのバイキンは目に見える姿を持つ敵ではない。戦争や病気などの悪の象徴と戦っている。

 アンパンマンって深い、深いです。
やなせたかし先生、愛と勇気をありがとう。素敵なメッセージをありがとう。

2013/12/21

超・美術館革命 (蓑 豊、金沢21世紀美術館特認館長)

サブタイトル : 金沢21世紀美術館の挑戦
Advantage : 挑戦/情熱/マネージメント力
Key : 本/男性/日本/美術/リーダー 

Info : 本

超・美術館革命 -金沢21世紀美術館の挑戦 : ワンテーマ21: 蓑豊


 蓑豊氏、美術史博士。
深い専門知識に加え、世界で活躍してきた自由な視点と経験を武器に、地方都市の新設美術館をプロデュース&マネージメント。記録的な来館者数を誇り、一躍有名になりました。

 新美術館を創る、その土地は金沢城の前であること以外、0からのスタート。
コンセプト決定、ハコとなる建築を考案することから始まる計画進行の様子と思いが、生き生きと伝わってきます。企画や運営論を説くビジネス本というよりは、“蓑氏の新美術館創造大作戦”とでも呼びたくなるような内容で、挑戦、創造の楽しさを教えてくれます。

何故、この金沢21世紀美術館にだけ、人が集まるのか?
地方の現代美術館としては異例の、大きな集客力を保ち続けているのか?

・建築家 妹島和世さんによる丸いガラス建築。
 未来的でユニークな建築と歴史文化的町並みとのコントラスト。新しい試み。

・子供に気軽に訪れてもらう、喜びを与える場所としての役割。
 純粋な子供時代に、心に感動を受けることの大切さ。

・美術館はサービス業であることの認識、努力を続けること。

 正直な感想として、予算の使い方、集客の努力、PR、利益の追求等の取り組み、考え方については、民間企業が当たり前にやっていることも多く書かれていました。
それができなかった今までのシガラミを飛び越えて成功した要因は、市長がこのプロジェクトに蓑氏を抜擢して一任した決断、それから、先ずは妹島さんの建築が世界的にも注目されたことが大きいだろうと思います。

 蓑氏のアイデアと情熱が詰まった本、バイタリティ、パワーをもらえる気がします。