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2014/07/28

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 (レイ・クロック、マクドナルド創業者)

原題 : GRINDING IT OUT
Advantage : 情熱/挑戦したくなる/人間力/頑張る気力UP
Key : 本/男性/海外/実業家/マクドナルド/社会貢献 

Info : 

成功はゴミ箱の中に ─レイ・クロック自伝

 マクドナルド創業者レイ・クロック(1902-1984)の自伝、自筆による歴史と信念が書かれています。52歳でハンバーガービジネスに出会い、その将来性を直感し、新たなビジネスに挑み、パイオニアとしてのスタイルと精神を確立していく歩み、節々でのレイ・クロックの言葉と思いが綴られています。
マクドナルドと聞いて誰もがイメージすること、アメリカ自由経済のアイコン、フランチャイズ経営の象徴。
この本を読むと、それは、同時にレイが、“世界一、億万長者を生んだ男”である、“世界一、億万長者を育てたビジネスマン、経営者”である姿をフォーカスし、浮かび上がらせます。
これを可能にした最大の特色は、巨大企業の経営者というよりも、レイの徹底したビジネスマン信念と目線からのジャッジとアクションにあると思いました。

 巨大フランチャイズ企業のパイオニア、入院している子供のために家族宿泊施設を作る等のCSR活動の面でも尊敬される企業であるのに、レイがリスクを乗り越え、進んできた道のりを語る口調は、解りやすく、親近感があります。

それは、レイがマクドナルド事業に取り組む52歳までのビジネスマン経験を、明白な信念としているからです。・・・・・ビジネスマンとして洞察力と視点。ビジネスが面白いから追いかけて、拡大することを夢見る。金を崇拝したこともないし、金のために働いたこともない。・・・・・

また、マクドナルド社員皆を成功へ導くことを楽しむ姿勢、教育哲学が魅力的だからです。
・・・・・仕事に誇りを持って、「働くこと、働かされること」を楽しめなくてはならない。
幸福とはその人次第、どれだけ頑張れたか、努力したかによって得られるものだから、誰かに与えることはできない。唯一できることは幸福を追う自由を与えることだ。・・・・・

次の言葉は、私がレイの金言で一番深く感じたものです。

・・・・・やり遂げろ---この世界で継続ほど価値のあるものはない。
    才能は違う---才能はあっても失敗している人は沢山いる。
    天才も違う---恵まれなかった天才は諺になるほどこの世にいる。
    教育も違う---世界には教育を受けた落伍者が溢れている。
    信念と継続だけが全能である。

 等身大の言葉がグッときます。
レイは勤勉で、パイオニア精神に溢れた努力家だと思います。それがマクドナルドを成功に導いた原動力であることは周知の事実です。
ですが、この自伝を読む限りでは、稀に見る才能に恵まれた人でも、突飛な行動に走る変わり者でも、浮世離れした大胆な賭博師でも無い、平凡で善良な一市民のようです。
そんなレイが成し遂げた偉業は、つまりは、信念の持ちよう、やり遂げることにあると言っているのですから、リアルにシンパシーを感じやすい、具体的に考えやすい、夢を持ちやすいと思いました。

 ソフトバンクの孫さん、ユニクロの柳井さんも人生のバイブルとしている本だそうです。
企業愛とビジネス信念に比重が大きい、自伝の内でもビジネスよりの内容です。

2014/07/27

プラネタリウムを作りました。 (大平貴之、一般人・プラネタリウム製作者)

Sub : 7畳間で生まれた410万の星
Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/頑張る気力UP
Key : 本/男性/日本/プラネタリウム/メガスター

Info : 本

プラネタリウムを作りました。【改訂版】

 大平貴之さん(1970~)、世界一のアマチュアのプラネタリウム作り人。
小学三年生の時、近所のプラネタリウムの星空を初めて見た感動が全ての始まり。
星空への興味、プラネタリウムを作りたいという探究心は、自室の7畳間の内で無限に拡がっていき、とうとう世界最高峰410万もの星を映し出すプラネタリウム開発に成功しました。
世界中の技術者やメーカーが成し得なかった快挙を、個人の趣味の延長でやり遂げたのです。
自分の理想とするプラネタリウムを作りたいという思いのために考え、行動し続けるのみ。とてもシンプルで美しい、でも簡単ではないことを達成した、夢を追うお話です。

 子供のままのような純粋な気持ちを持ち続け、追い続けていたら、夢を叶えることができました。
そして、その大好きなこと、ライフワークが仕事となり、生きる意味、がんばる価値でもあります、というキラキラコツコツ型、真っ直ぐな情熱、さわやかな感動を受けるお話です。
人生の早い時期に、最大の興味・目的に出会って確信し、一途に夢を向かっていく、貫く意志、環境と運(例えば音楽家が聴力を失ったり、アスリートが怪我して人生の目的を転換しなくてはならないシチュエーションではなく)には、純粋に憧れます。
 好きなことor安定した別の就職、夢に挫折しそう、一旦は就職したけど夢を諦め切れなくて迷っている時、迷っている人には、感じるところが大きい内容だと思います。
 
もちろん、大平さんには、他の人が簡単に真似できない事を達成できた理由があります。
真面目、好奇心旺盛、とことん突き詰める性格。失敗の連続にもめげずに継続する根気と努力。最終的には全部を包み込んでしまう生来の楽天家的思考が根底にあると思いました。

 アマチュアといっても、機械工学を専攻、大学院終了まで研究し、電機メーカーに就職という経歴を持ち、1998年に社会人の一般個人参加にて国際プラネタリウム協会で“初代メガスター”を発表、快挙を成し遂げます。
その道程には、小学生の時にプラネタリウムを見て、興奮のままに直ぐに自室の天井に蛍光塗料で天体図を書くと、家族が喜んでくれたことに発し、宇宙ではなく、宇宙の星空を作り出すメカに興味を持つに至る経緯。
そのために機械工学を専攻しますが、プラネタリウム作りを7畳の自室で、独学で、何度も試行錯誤していくには、天体知識と計算、機械の素材、組み立てる工学技術、それをプレゼンする英語等、多様な勉強をする必要がある等、様々なクリアすべき壁がありました。
ネットもなかった子供時代には、何かを調べたり、調達するためには、電話をかけまくったそうです。大学時代には、専攻外のプログラミングの知識、実践機種とするための知識と経験をメーカーのアルバイトで勉強する、プラネタリウム投影機の材料資金を稼ぐために休学までして没頭しています。 

そして今は、制作した意味、制作を探求していく意味や価値を、経験を通じて自問し続けながら、活動の空間を拡大中だそうです。

太平さんの言葉の一部:

  星空を作りたいという願望は、美しいものを作りたいという願望。
  美を創り出すアート作業であり、アーティストが心の中の宇宙を描き出す行為と、
  外にある宇宙を自然科学で描き出す行為は繋がっている。。。。。

この世界最高レベルのプラネタリウムのシリーズは、メガスターと命名されていて、東京では日本科学未来館に常設されています。
子供達への教育、アート、イベントや結婚式など、進化しながら新しい挑戦を続けていているメガスター、WEBも素敵です。http://www.megastar.jp/

2014/07/21

パッチ・アダムス いま、みんなに伝えたいこと―愛と笑いと癒し (ハンター・アダムス、医学博士)

Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる/社会貢献
Key : 本/映画/男性/アメリカ/パッチ・アダムス 

Info:
パッチ・アダムス いま、みんなに伝えたいこと―愛と笑いと癒し















 本名ハンター・アダムス(1945~)。アメリカ合衆国の医学博士、医師として初めてホスピタルクラウン/クラウニングを治療に取り入れた。現在、賛同する世界中の医療関係者に“愛と笑い”を広める伝道師として、夢の病院を設立するために、精力的に活動中。

 少年時代に家族の死にショックを受け、精神病棟に入院していた経験を持ち、医師を志しました。ところが、夢を抱いて入学した医学部では、患者とその家族の心に寄り添う理想の医師に巡り合ったのは、たった一人。現実の医療システムと権威主義へ疑問を感じ、学生時代から愛と笑いが人を癒すことを信じて、クラウニングを始め、そのまま仲間と無料診療所の運営に挑戦します。
このプロジェクトは、貧しい人々が医療を受けられないという、アメリカ医療保険システムの社会問題に挑戦するもの、同時に、人を信じること、愛と笑いが大切なものであることの証明でした。
12年間続いたプロジェクト期間中、無料診療、24時間受け入れ、共同生活、睡眠時間は3、4時間ほどだったそうですが、愛とユーモアが生活と仕事の基盤であるので、苦労とか、辛い気持ちは無く、自分達のことながら「人類史上初のバカバカしい病院なんだから」と受け止めていたそうです。
自分がなりたい自分でいることが一番大切、人間的であることは「自分は何かをやってみせる」と考えることだ、、、、パッチ・アダムスの言葉です。


 医療は絶対にお金にならない。
医療はお金を儲けることとは反対の極にあり、つまり、大切なのは愛することなんだ。
ソウルメイト、心の中で愛せる相手を見つけることが大切なんだ。

理想を語るのは簡単かもしれませんが、実現に向けて行動するには大きすぎる課題、ほとんどの人は目を瞑るのではないでしょうか。
パッチ・アダムスの尊敬すべきところは、人として「自分は何かをやってみせる」と考え、夢に向かって突き進む行動力とパワー、そして、求心力=人間力だと思います。
12年間の無料診療時代も、日本人にありがちな義務や根性論からの献身とは異なり、自分が信じることだから、自分は医者を志し、医者となったからには当然取り組むべき道と捉えている考え方が印象的です。人の心と体を癒す医者、医者である自分が自分であるので、オフだから、プライベートだからという区切りは無いし、ストレスに感じることも無いそうです。


 家族や友人から見放された孤独な患者、余命宣告の意味。。。。
パッチ・アダムスはどんな人々に出逢い、想い、喜び、愛、死、夢について感じてきたのか?
大切な人、家族が病気の人に是非読んでほしい本です。
私ももっと前に読んでいれば、涙が出ました。


関連Info:


ケアすること 愛すること
パッチ・アダムス [DVD]
DVD
ホスピタルクラウン 病院に笑いを届ける道化師 (Sanctuary books)

2014/07/18

フラガール (一般人、スパリゾートハワイアンズ)

Advantage : 挑戦したくなる/情熱/がんばる気力UP
Key : 本/映画/日本/福島/スパリゾートハワイアンズ/復興支援

Info:
フラガール
本 2006映画原作
フラガールスタンダード・エディション [DVD]
映画 2006





 










 フラガール ~ 2006年に公開されたこの映画、ご存知の方も多いでしょう。
 なぜ今になって“フラガール”を読み直してみたのか?
夏に向けてスパリゾートハワイアンズのCMを目にする機会が多くなり、楽しそう、行きたいな、そういえば・・・と、ふと思いました。
TVでジャンジャンCMをしているなんて、相変わらず旅行会社への依存度を抑え、ほぼ自社力でマーケティングと集客を頑張っているな。PR費に大きな予算を使えるのは収益が上がっているから、新たな事業展開にも挑んでいるようだ。
2011年東日本大震災の被災地ど真ん中にあって、元気なパワーをふりまいている。復興と支援活動のアイコン的存在となるべく努めた企業理念、行動力は誰もが認めるところ。。。。

昭和41年、福島県のいわき市に誕生した常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)がオープンするまでの奮闘物語です。
東北の田舎、荒廃感漂う炭鉱で、町の存亡をかけた事業に取り組む人々が、保守的な過去へのこだわりや人間関係のシガラミを打ち破り、日本で始めての概念“アミューズメントパーク、リゾート”施設事業設立とフラダンスへの希望と情熱を追った、舞台裏の記録です。

映画では俳優のキャラクターも当たり、前を向いて頑張ろう、フラダンスの魅力と情熱が伝わってくる、明るい印象でした。本を読むと(映画のシナリオ的なものなので、サラッと読みやすいのですが)、映像が無い分、あの時代、東北の超田舎にある炭鉱町での挑戦と困難、関係者の葛藤という面について、もっと考えさせられました。日本初のアミューズメントパークというビジネス、しかも東北に南国ハワイのフラダンスというカルチャーショックを乗り越えて、よく信念を貫いたと思います。

時代背景もあると思いますが、素人、未経験でもチャレンジできる。
恐れず、あきらめず、信念を一貫する。
人々と世の中を明るく、元気にする一端を担う。
こんな企業DNAが根底に流れているのかな?と思いつつ、2012年に制作された東北復興支援DVD、
“がんばっぺ フラガール!”も鑑賞してみました。

参考Info:
がんばっぺ フラガール!  ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】
DVD 2012復興支援


2014/07/16

幸せへのキセキ 動物園を買った家族の物語 (ベンジャミン・ミー、ジャーナリスト)

原題 : We Bought a Zoo
Advantage : 幸福の意味/命、病気について/挑戦したくなる/頑張る気力UP/心温まる
Key : 本/映画/男性/海外/ジャーナリスト/ダートムーア動物学公園

Info :    映画

  幸せへのキセキ [DVD]

 イギリス人ジャーナリストのベンジャミン・ミーが、突如、破綻した動物園を買い取ってから、約1年をかけて2007年7月に新規オープンを果たすまで、夢のような真実の物語。
ある時に運命的なキーが幾つか現れて、それを掴み取ろうとする意思と決断が重なった時、人生は劇的に変わる、変えることができるということを証明するような、お伽噺のようなストーリーだと思います。
経験も知識もなく、いきなり荒廃した動物園を買って園長となってしまったベンジャミン本人が、戸惑い、驚き、興奮しながら、自身のジャーナリストとしての眼を通した現実を書き綴っていくストーリーは読みやすく、客観的な面もありつつ、心温まるヒューマンストーリーとして完成されています。
また、動物の生態観察についても、一般の、いわゆる素人目線での感動が生き生きと描かれています。

ベンジャミンの場合のキーは、ロンドン郊外で暮らしていた父親が亡くなって、母親が余生を過ごす新たな家を探していた機会、妻のキャサリンに脳腫瘍が見つかった運命的な出来事。そんな時に、動物園売り出し処分の不動産広告を見つけた妹が“兄さんの夢のシナリオよ”と送ってきたという、3つのリンクです。

 生きる意味、家族の愛について考えて悩んだ時、ただ一般の動物好きのジャーナリストが惹かれたもの、巡り合ったのが、動物園という別世界での生活と挑戦だったという感じです。
それを可能にしたのが家族の結束~ロンドン郊外の家を売り払って同居した元気な母親、4人の兄弟とその家族、妻キャサリンと2人の子供達と、まさに一丸となって進むこと~、それから、ベンジャミンの好奇心旺盛、冒険に憧れる少年のような性格によるところが大きいと思いました。
引っ越して4日目にジャガーが脱走したり、動物園運営の細かな規則や資金繰り、学会との軋轢、スタッフとの信頼関係など、問題は山積みでしたが、家族や友人と力を合わせて一つ一つクリアしていきます。

 約1年後に新生ダートムーア動物学公園をオープンするに至りますが、残念ながらその日を待たずに最愛の妻キャサリンが亡くなってしまいます。
脳腫瘍の症状が進行するにつれ、言葉と体の自由が奪われていく最後の日々の中で、どんな状態でも大好きなキャサリンはキャサリンで、2人で過ごす時間がとても嬉しい様子。ロンドンでの多忙で、華やかなジャーナリストとしての生活では分かち合えなかった和やかな気持ちと親密な時間に感謝する気持ち。キャサリンの余命を子供達に告げる時の気持ちと、長男マイロの言葉“ぼくは泣きたくない。パパのために強くなりたいんだ。”に自分の家族がダブり、心が痛くなりました。
愛する人を失う絶望は誰もが同じで、ベンジャミンも仕事への無力感、何を見てもキャサリンを思い出してしまう悲しみに沈みます。
ただ、最後まで希望を持ち続け、希望を共有して生きてきたという事実は、キャサリンにも、周りの家族にも、何にも変えられないものであったと思います。そのために、未知の世界へ進む、生活を完全に転換する勇気を持ち、行動したことを尊敬します。

 現在、動物保護と自然環境学習を目的に掲げ、多くの人が集うことを目指すダートムーア動物学公園は、異業種からの視点とアイデアも盛り込んで挑戦を続けているようです。
2006年に動物園購入に興味を持った40歳くらいの一人の男性が、翌2007年に動物園の園長となって出発する経緯は、ある程度の資金とチャンス、身を投じる勇気があれば、他の人でも実現できたかもしれない物語で、遠い世界や時代の話ではありません。だからこそ、人間味やシンパシーをを感じ、実際に行動する勇気を持った稀な人、作者ベンジャミン、関係者を応援したい気持ちになるのだと思いました。

この本が原作となった映画では、舞台がアメリカだったり、妻キャサリンが亡くなってから動物園に住むことを決める等、多少の違いがあるようです。でも、田舎の風景や動物達の迫力あるビジュアルがあって、こちらもとても魅力的な作品だと思います。

2014/01/04

リンゴが教えてくれたこと (木村秋則、農家・自然栽培指導家)

Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦したくなる
Key : 本/日本/社会貢献/奇跡のリンゴ/農業/木村秋則/自然栽培

Info : 




 自然栽培の「奇跡のリンゴ」を実らせた、木村秋則さんの沢山の思いが込められた手記です。
1978年から、無農薬、無化学肥料栽培への挑戦を開始し、11年目の88年にリンゴを収穫するまでの道のりと着眼点、生活状況やその時々の気持ちと共に語られているためか、等身大の木村さんの思いが一層感じられる本だと思います。
 
 現在も自然栽培の指導に情熱を注ぐ木村さんの夢は、農業家としての誇り、地球環境の修正に通じています。
近年、有機野菜(自然栽培とは異なる、JAS規定の有機栽培による)ブームの日本は、世界第一位(2009年時点)の肥料、農薬利用国だということを、どれだけの日本人が意識して暮らしているでしょうか。

 農薬の健康被害に苦しまず、家族の笑顔が畑にあればよい。
 貧乏でも楽しいこともある。達成感は素晴らしい。
 その結果が社会のお役に立って生きていけたら幸せ。
 
「奇跡のリンゴ」が実を結ぶまで約10年間の無収入、極貧生活、周囲の批判、失敗の連続、そして自殺を考えるほど苦しんだ時代を乗り越えての、今の木村さんの言葉と夢が、上のように巻末に語られていました。
 私利私欲にとらわれず、人間が破壊している地球環境を正すため、志を理解する農家に協力するため、今も毎日挑戦しつづける情熱と言葉に重みを感じ、頭が下がる思いです。
これが木村さんが追い求める幸福の形、美しいと思います。

 木村さんの自然栽培の歴史と信念、その発見は、農業知識が無い私にとっても興味深いものでした。それは、木村さんが元々サラリーマンで始めは農業知識が少なかったため、共感しやすいからでしょうか。
 結婚した当初は、家業のリンゴ農園を農協の指示通りに営んでいましたが、数年後に農薬被害に苦しむ家族の姿を見て一念発起。農薬や化学肥料を使わない農業に目を向け、0から自然栽培への道を歩き始めます。当時の農業常識と対峙する逆転の発想でした。
 それから約10年間、失敗の連続、極貧生活、家族への申し訳なさに苦しむ時代を過ごします。
それでも自然を観察しながら、「観察型農業」、「自然の山の生命力に教わる」を検証し、1つずつ壁を乗り越えて、自らが確信した道を、ぶれることなく突き進んでいきます。
自分がリンゴだったら、稲だったらと考え、土、草、虫、水、温度の働きを自然の生態系に近い環境にするには、何をすればよいのか。そして、自然に“ありがとう”という気持ちを持って接すること。
その徹底した自然観察には驚かされます。例えば、リンゴが無収穫の時代に、米や色々な作物の自然栽培も試していて、品種の原産地の環境に近づけることで収穫量が飛躍的にアップすることを発見しました。また、キュウリの巻きヒゲに手を出してみると、その生産者の指にはヒゲが絡まることが多いことにも気づきました。まるで、人の心を理解し、判断しているような現象です。
 自然観察は基本で大切なことを教えてくれる、植物も人間も地球の一部、面白いと気づかされることが多数書かれていますので、興味のある方は読んでみてください。
関連書籍も豊富で、子供向けもあります。

関連Info :

奇跡のリンゴ 奇跡を起こす 見えないものを見る力 リンゴの絆―“奇跡”を支えた真実の人間ドラマ

百姓が地球を救う 奇跡のりんごスープ物語

2014/01/01

建築家、走る (隈研吾、建築家)

Advantage : 挑戦/情熱/マネージメント力
Key : 本/男性/日本/建築/歌舞伎座 

Info :

 建築家、走る

 建築家、隈研吾さんがフランクに語りかけてくれる自伝的建築哲学論です。
ずばり、隈さんの人間力が秘められた本だと思います。
2013年春に完成した新歌舞伎座“GINZA KABUKIZA”の建て替えを手掛ける等、世界を駆け巡って活躍する隈さんの歴史、建築家としての経験と考察を自己哲学として確立していくプロセスを、社会、文化、経済情勢やニーズ、ミッションとして関連付けながら、熱く、そして客観的な両方の視点から語っています。

新歌舞伎座”、国内地方建築に集中していた時代の初期作品“石の美術館”にまつわる経緯や学術的記述には特に興味を引かれ、感銘を受けました。
それ以上に、人間クマケンゴの芯にスポットライトが当てられ、浮き彫りになる「弱いぼく」の姿と、「自称ニヒリスト」の捻くれた思考が顕にされていることが面白く、そのフィルターを通して改めて作品を感じ、強く魅せられました。

印象深かった隈さんの歴史、言葉を、幾つか挙げてみたいと思います。

 建築家になりたいと思ったのは、1964年小学4年生の時、丹下健三作品の代々木体育館に足を踏み入れて、美しい屋根の曲線を舐めるようにして降り注ぐ光を見た時だそうです。
・・・天職、人並みはずれた創造の才能って、運命の啓示ってものがあるのかなと思いました。

 そもそも自分を永久に幸せにしてくれる資産なんてものは無い。
ぼくも諦めを知ってから、人生も、建築も、本当に面白くなりました。

 反20世紀的な建築(反アメリカ的建築)を目指すこととは、その場所でしかできない、際立って特別な建築を創ること。
右手の機能を失ってから、その場所が発する声や気に耳をすませたり、眼を凝らしたりすることができるようになった。
・・・スケッチ力に優れ、自信を持っていた右手に怪我を負った時、あえてリハビリをしないまま、不自由さを選んだ。頭の中の思考や技術より、感覚、感性が重要だと改めて気づいたから。

 (東日本大震災の)復興のための建築は、「これからの生き方」を考えるということ。
次の社会へと転換させるアイデアでなくてはならない。

 日本人の自然観で自分たちの歴史を生きる。
作り続けて、壊れ続けてを繰り返す。つまり、「死に続ける建築」。


 分刻みのスケジュールで世界中のコンペに走り、次のステージでは、施主/クライアントや現場と折り合いながら解決策を探っていくしかないと、舞台裏の状況や心境を正直に吐露している部分もあります。
 建築家に求められているものは、この困難な時代のソリューションであると自覚し、どんなことがあろうとも、挑戦と創造性は基本楽しさであるということ、全てを受けとめている強さを感じます。
 世界的な視野、マネージメント力、求心力に優れていなければ、天才の創造力や知識を表舞台で発揮し、現世界の第一線を走り続けることはできないということを、身を持って示してくれているのだと思います。

 「何かが生まれるプロセスを、真剣な思いの人たちと共有する楽しみ」
これが一番大切なこと、バイタリティの源なんだろう。
人間として、クリエイターとして魅力的な言葉だと思います。


隈さんの最新作品(2013年12月現在)。
表参道のSunny Hillsパイナップルケーキ屋 さんに行ってみた。#隈研吾#sunny hills#写真
http://www.sunnyhills.co.jp/news.php



2013/12/29

ガウディの影武者だった男 (ジュジョール、モデルニスモ建築家)

Advantage : 情熱/幸福の意味/挑戦
Key : 本/男性/バルセロナ/モデルニスモ/ガウディ/ジュジョール 

Info :

ガウディの影武者だった男―天才の陰で忘れ去られたバルセロナ建築界の奇才


 スペイン、カタルーニャ地方のモデルニスモ建築家、ジュセップ・マリア・ジュジョール・ジベルト。
ガウディより27歳若い1827年生まれのジュジョールは、建築学校の学生時代にガウディと出会い、才能を見出された“色彩の芸術建築家”です。ガウディが最も信頼した協力者です。

 タイトルから、ガウディの名の下に表舞台に出られなかった若き才能や葛藤、師弟関係をイメージしていましたが、これは異なる才能を認め合った2人の自由な創作、刺激しあった造形と共同作業について書かれたものです。
ガウディの、時にはモデルニスモ時代の担い手ドメネクやカダファルクの作品と比較しながら、ジュジョールの世界を探訪していくうちに、その独創的な魅力に取り込まれてしまいます。
 特に前半は直接的な人物像よりも、ジュジョールの眼差しから学術的に検証、考察される作品の記述が多く、建築分野に関連して、芸術絵画、デザイン、カタルーニャ文化と歴史に興味がある方にも読みごたえがあると思います。

 ガウディの代表的作品と認識されている建築の中には、ジュジョールによる創作部分が数多く存在し、光っています。
 サグラダファミリアの天蓋・カテドラル背面の壁画
 カサ・バトリョの鮮やかな外壁
 グエル公園の波状ベンチ、カサ・ミラのバルコニー装飾等です。
ガウディが自分に足りないと感じていた色彩感覚や独創性をエッセンスとして付加し、建築作品全体のバランスを補強して完成度を高めるための必要なファクターであり、制作者独自のセンスと采配に任されていた“遊び”のパーツです。
大家のガウディが口を出すことも無く、信頼と協力で成り立っている関係、ジュジョールは協力者なのです。

 この本を読んで、3つのポイントに注目しながら2人の作品を見ていくと、気づく点が多く、面白いと思いました。
異なる才能、共同作業中のインスパイア「ガウディの中のジュジョール」「ジュジョールの中のガウディ」、其々の私生活が作品に与える影響についてです。

2人の才能とは?

ガウディ
 幼い頃から自然を熱心に観察していた。モチーフに海、水、岩山などが多い。
作品は想像力の産物ではなく、冷静な観察力によって見出した形態がベース。
全体的に計算されつくした、完全主義の美。

ジュジョール
 観察して、まず描いてみることを常としていた。
瞬間のインスピレーション、心象を自分の手を動かすことで心の中に刻み込もうとするよう。即興的。
想像力の産物、個々に芸術作品の1つとしての意味が高い。大胆。

ジュジョールらしい作品とは?
 1910-20年代にかけて、バルセロナ郊外のサン・ジュアン・デスピという小さな町の専属建築家として没頭した、76もの作品に見ることができます。
1909年の“悲劇の一週間”(労働者階級の暴動)以降、資金潤沢で派手好みのブルジョワのパトロンがなりを潜め、カタルーニャ主義の強い表現が牽制された社会、政治、経済状況下のバルセロナから離れた、自由な創作時代です。
 ここでの代表作にマシア・ネグラ(シュールリアリズム的な絵画を自由奔放に描いている)、ラ・クレウ(特殊な十字架の形を持つ塔、卵の塔と呼ばれている)等があります。
小規模で資金の限られた制作は、新たなアイデアや素材(身近な生活用具等)を見出し、思う存分にコダワリを貫くことができた、楽しさを見ることができます。

 ブルジョワ趣味の仕事を請け負う処世術と自分の理想の間で悩み、次には対照的な、本来貧しい庶民の心の拠り所である“神の家=サグラダファミリア”の理解と実体化、重責に苦しんだガウディは、生涯独身で、最後の時を神の精神に捧げて暮らしました。

 一方、庶民文化に根ざした建築美を追求したジュジョールは、状況によって奇抜な才能をコントロールしたり、父親と同じように教鞭にも立つ社会性にも恵まれており、愛に満ちた家庭生活を送りました。

 天才、富と名声、愛、、、、幸福の形について考えさせられます。

 とにかく、ガウディとジュジョール作品の写真、実物を提示しないと、内容と感情が旨く表せてない気がします。サン・ジュアン・デスピにずっと行ってみたいと思っていましたが、本当に探訪しなくてはと思いました。

2013/12/21

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ (ミュージシャン)

原題 : MARKETING LESSONS FROM THE GRATEFUL DEAD
著者 : デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン
Advantage : 情熱/バイタリティ
Key : 本/海外/グレイトフル・デッド/マーケティング/環境問題 

Info :

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ


 グレイトフル・デッド(コレよりGD)って、ヒッピーでラブ&ピースのバンド、あのGDでしょ?
それとマーケティングって、、、活動期間も1965~1995年じゃなかったっけ?
先ず、このタイトルに面白センサーが反応、昔からデッドベアのキャラクター好きということもあり、読んでみました。

 二人の著者、 デイヴィッドとブライアンは、エコノミストで企業家、熱烈なデッドヘッズ(GD信者)です。GD愛と、ユニークな策略を感じさせる二人のストーリー展開も絶妙で、どこから読み始めても良い3つのチャプターから成り、赤字の重要ポイントマーク等は簡潔明瞭。GDポリシーの具体例を検証しながら、彼らの自由な精神を反映し、共感度が高い、楽しい読み物に仕上がっています。
ビジネス本以上、現代マーケティング実用書としての内容と完成度は、良い意味でショッキング、一気にGDワールドに引き込まれる感じです。
見た目も、普通であるはずが無いという期待通り、カバーや内ページは、シンボルのポップなイラストとカラー、書体が踊るデザインです。こんなの見たことない、コレクションものです。

 この本で検証されているように、1965~95年の早い段階から、現代のSNS手法を見事に実践していることが解ります。

・ 歴史的な大ヒット曲は無いのに、何故30年以上もファンの心を掴み続けているのか?
・ 当時の業界常識をくつがえし、活動の中心はライブで、ライブ録音とグッズ制作フリーOK。
  どのような仕組みで儲けているのか?
・ 2009年よりビジネスモデルとして検証され始めたのは何故か?今、注目される理由は?

 それは、企業の価値とブランドは、ユーザー(ファン)によって造られる=企業の押し付けではないこと、ファンとの対等な仲間意識と立場=共存共栄、徹底したファンへのケアと満足度を意識してきたことが大きいと思います。
彼らの一貫したボランティア活動=企業CSRも特筆すべき点で、一層の信頼関係とブランディング効果を高めたと言えるでしょう。

 音楽への情熱を貫く。
自分たちがやっていたことが、本当に好きだった。

GD魂は、やっぱりコレです。多くのデッドヘッズを魅了する根源は。

 コレが意図せずとも、経済、社会、音楽の分野を融合し、今も影響を及ぼす社会現象に結実したのだと思います。
 ITCとマーケティング関係、デッドヘッズ、興味を持った方へ、気になりませんか?
キニナル、キニナル、キニナル、、、読んだら理由が解ります。

超・美術館革命 (蓑 豊、金沢21世紀美術館特認館長)

サブタイトル : 金沢21世紀美術館の挑戦
Advantage : 挑戦/情熱/マネージメント力
Key : 本/男性/日本/美術/リーダー 

Info :

超・美術館革命 -金沢21世紀美術館の挑戦 : ワンテーマ21: 蓑豊


 蓑豊氏、美術史博士。
深い専門知識に加え、世界で活躍してきた自由な視点と経験を武器に、地方都市の新設美術館をプロデュース&マネージメント。記録的な来館者数を誇り、一躍有名になりました。

 新美術館を創る、その土地は金沢城の前であること以外、0からのスタート。
コンセプト決定、ハコとなる建築を考案することから始まる計画進行の様子と思いが、生き生きと伝わってきます。企画や運営論を説くビジネス本というよりは、“蓑氏の新美術館創造大作戦”とでも呼びたくなるような内容で、挑戦、創造の楽しさを教えてくれます。

何故、この金沢21世紀美術館にだけ、人が集まるのか?
地方の現代美術館としては異例の、大きな集客力を保ち続けているのか?

・建築家 妹島和世さんによる丸いガラス建築。
 未来的でユニークな建築と歴史文化的町並みとのコントラスト。新しい試み。

・子供に気軽に訪れてもらう、喜びを与える場所としての役割。
 純粋な子供時代に、心に感動を受けることの大切さ。

・美術館はサービス業であることの認識、努力を続けること。

 正直な感想として、予算の使い方、集客の努力、PR、利益の追求等の取り組み、考え方については、民間企業が当たり前にやっていることも多く書かれていました。
それができなかった今までのシガラミを飛び越えて成功した要因は、市長がこのプロジェクトに蓑氏を抜擢して一任した決断、それから、先ずは妹島さんの建築が世界的にも注目されたことが大きいだろうと思います。

 蓑氏のアイデアと情熱が詰まった本、バイタリティ、パワーをもらえる気がします。

2013/12/17

イルカと墜落 (沢木耕太郎、作家/ルポライター)

サブタイトル : 沢木氏、ブラジルで危機一髪
Advantage : 未知の世界/幸せの意味/社会の豊かさ
Key : 本/TV番組/男性/日本/ライター/冒険/環境問題 

Info : http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167209155

        NHKスペシャル 2003年6月22日放送
       沢木耕太郎 アマゾン思索紀行  「隔絶された人々 イゾラド」     



 2001年、NHK番組の取材のために初のブラジルへ、さらに未開のジャングルへと旅立った沢木氏。
ミッションは、文明と未接触のイゾラド(=インディオ)の取材です。
そして、何とジャングルへ向かうために乗り込んだセスナが墜落してしまうのです。

 “窓の外の熱帯雨林がぐんぐん近づいてくる。どうやらこの飛行機は墜ちるらしい”
そして、墜落の瞬間、咄嗟に思ったことは、“マジかよっ”。

 家族や自分の運命のことではなく、取材同行スタッフの口癖“マジ”だったことに、本人も後から驚いたようです。小説のような事件に直面すると、アッという間で、理性的に考える余裕なんて無いのかもしれません。セスナは大破し、死傷者が出なかったのが不思議な程の大事故だったのに、とにかく、全員軽症で何よりだと思いました。

 こんな奇跡の事件の当事者となった沢木氏、相変わらず淡々と、沢木ワールドで語っていきます。生と死は背中合わせ、死は直ぐ隣にあるもの、自分は今までやりたいことをたくさんやってきたから、死への恐怖や生への執着はそんなに無いと気づいた、と経験を振り返っています。

 この物語には、もう一人のKeyパーソンがいます。
ブラジルのジャングル奥地には、未確認、未接触のイゾラド(=インディオ)が相当数いるそうで、ブラジル政府の組織によって調査、管理されています。
その組織のリーダー、ポスエロ氏です。強烈なカリスマ、アクション漫画のヒーローのように豪快で明るく、不屈の精神の持ち主のようで、人間力にグイグイ引き込まれます。

 下記の言葉は、印象的でした。
ポスエロ氏が彼らとの接触、失敗と後悔の中で考え、たどり着いた信じるべきもの。身を尽くすべき理由なのでしょう。
幸せとは何か?自分の立場は?自分がやるべきことは?自分たち文明人は、上から目線で助けたり、守ってあげるヒーローでも、正義でもない。

ポスエロ氏の言葉:

 イゾラドが、イゾラドとして生まれて、そのまま自然に死んでいく。それが一番美しいことだ。
僕はその美学、理想を実現するためだけの理由で、僕の仕事を、任務を行っている。
できるだけ文明に触れさせないことだ。彼らが、あるがままにジャングルで楽しく暮らすことだ。

 イゾラドの数は減少していて、やがて絶滅するのは時間の問題だ。
僕らは、それをできるだけ引き伸ばしているにすぎない。
だって白人がここにやって来てからの所業を考えてごらん、僕らは最後の時間をもらって、彼らにできることをするしかないんだ。


 私はこの取材から完成した番組
沢木耕太郎 アマゾン思索紀行  「隔絶された人々 イゾラド」
を観ていないのですが、それは沢木氏のこんな語りで始まり、終わるそうです。
取材の裏舞台であるこの本の、ポスエロ氏の言葉を重ねるとき、魅惑的なフレーズは一層深みを帯びて響きます。
幸せとは何だ、考えさせられます。

 不思議な話を聞いたのだ。
ある時、2人のイゾラドが忽然と現れた。
近隣数百キロ範囲のイゾラドとは異なる言語と文化を持ち、彼らは何者か、何所から来たのか、まさに忽然と現れたのである。

(アウレとアウラと名付けられた2人の話し声が風に乗って聞こえてくる)
しゃべっているね。
そうだね。あの声が消える時、あの1つの文化も地球上から消えて亡くなるんだ。

2013/12/16

カーネル・サンダースの教え (KFC創業者) 

サブタイトル : 人生は何度でも勝負できる
Advantage : ポジティブ/バイタリティ/七転び八起き/ビジネス哲学/痛快な生き方
Key : 本/男性/海外/ビジネス/実業家/KFC

Info :  http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14181



 ご存知、KFCの顔、カーネルおじさん。
カーネル・サンダース、本名ハーランド・サンダース(カーネルは名誉称号)。

 色んな意味で、こんなにも面白さ満載の、様々な人生の事件(本人的には“チャンス”)を打破しながら進んで来たヒトなんだ、「下町のフェニックスおじさん」と呼びたくなってしまいます。
愛と敬意を込めてです、KFCさんゴメンなさい。 
今まで知らなかった、波乱万丈で七転び八起きの人生、想像以上でした。

初めての仕事をクビになる(10歳)
志願兵になってキューバで戦う(15歳)
吊橋のロープが切れ、車ごと崖下に転落。重症を負う(36歳)
商売敵と銃撃戦 
数度の破産、火事で全焼等
20回以上の転職
無一文の65歳からKFCビジネス起業

 絶対絶命の場面をくぐり抜けて、というか、自ずから好んで突き進んでいく結果のようにも思えますが、その度に自分の哲学と信念をGetしていきます。
 そして、ブレません。
この哲学を徹底する事、徹底する根幹となる個性の頑固さが、顧客と仕事仲間を惹きつけ、ビジネスの成功に繋がったということが解ります。

「神様は、何か特別なことをワシにさせるために、命を救ったのではないか。」

Myルール、10歳で初仕事をクビになった時に誓ったルール
   できることは全てやれ
   やることは最善をつくせ

心のスローガン、ロータリークラブで心を打たれた言葉
   最も奉仕する物が最大の利益を得る
   
4つのテスト、ロータリークラブで学んだビジネスのリトマス紙
   1) 嘘偽りはないか
   2) 関与する全ての人に公正か
   3) 信用と信頼を築けるか
   4) 関与する全ての人に利益があるか    

 これらの哲学徹底を支える、個性、キャラクターを表すエピソードも数多く含まれています。
組織的には不調をきたすほどの公正さ(そのせいで会社をクビになったり)、熱血漢で人情家、かなり口が悪くて喧嘩っ早い。。。
中でも、完璧主義―品質に自信が無いものは絶対に売らないという誇りと追求心―、超ポジティブでバイタリティに溢れている点が印象的で、ビジネス成功に大きく作用したと思います。

 苦境の時ほどチャンスと捕らえ、何度でもアタックしていきます。
例えば、経営していたモーテル&レストランが火事だと聞いて、大慌てで現場に向かいます。最悪は全焼か、状況が分からないまま再建プランを必死に考え、まだ煙がくすぶる中に、建設業者を連れて現れたというのです。なんというポジティブthinking&バイタリティ!

ド根性というよりも、とにかく超ポジティブで、悲壮な感じは受けません。
いつも状態は、“On”、“Movement”、止まると死んでしまうマグロ、いや、フェニックスのようです。

 無一文の65歳でKFC創業、ダテではありません。
失敗の数だけ学んできたビジネス哲学と人生、人柄もうかがえる内容は、親近感とワクワク満載のビジネス本です。

 最後に、生まれながらのショーマン、セールスマンで、自らも広告塔のカーネルおじさんは、PR戦略に長けていました。
広告コピー It's Finger Lickin' Good 指を舐めるほど美味しい、名作だと思います。
あの匂いを思い出し、食べたくなるのは私だけ?


関連Info : KFC公式サイト カーネル物語 http://japan.kfc.co.jp/tale/

        本  ぼくのフライドチキンはおいしいよ  
       
ぼくのフライドチキンはおいしいよ