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Viva La Vida ビヴァ ラ ビダって、「今を生きる」 を感じること。 実在人物の軌跡、考え、心、光と闇に触れて感じるスペース ☆ 私的セレクト図書館。 

2014/08/04

エリック・クラプトン自伝 (エリック・クラプトン、ミュージシャン)

Advantage : 幸福の意味/心の弱さ、闇について/情熱
Key : 本/男性/海外/ミュージシャン/ギタリスト/アルコール依存症/エリック・クラプトン

Info : 本

エリック・クラプトン自伝


 “魂のギタリスト” エリック・クラプトン(1945~)、イギリスのサリー州リプリー生まれ。
天性の才能に恵まれ、若干20歳程で“クラプトンは神だ”と認められながら、欲望と愛情、快楽と幸せの区別がつかないまま、“何か”を探して彷徨い続けてきた年月。
  母親に拒絶され、親戚の家で育った少年時代の孤独と、音楽への憧れ。
  大親友のジョージ・ハリスンの妻、パティ・ボイドとの運命的な出会いと、愛の苦しみ。
  ギタリストとしての成功とは表裏一体のドラッグ、アルコール依存、病的な女性遍歴の末に事故で息子を失ってしまった絶望。
56歳で結婚し、3人の娘を持つ父親になって、初めて自分の居場所を見つけたと思えた。
その延長にある今だから振り返ることができる、エリック・クラプトン自らが語る、音楽と愛と魂の軌跡。

 独学でギターを学び、アートスクールに通いながら、ギタリストとしてのバイトを始めます。たった数年間、若干20歳程で“クラプトンは神だ”と町に落書きされるほどの音楽性、人々を魅了するカリスマは、天性の才能としか言いようがありません。
それに反して、本人が自尊心の低さが根源であるといっていますが、女性とドラック、アルコールに依存し、溺れていきます。(それでも、体力的に問題がない限度までは、演奏と作曲は相変わらず神的なのは、さすがです。)
クラプトンの熱烈なファンには、当時の音楽シーンとミュージシャン仲間との交流が詳細に描かれており、特に興味深い情報だと思います。また、其々の楽曲が生まれた背景と思いを、クラプトンの歩みにリンクして知ることができ、曲をイメージしながら、新たな感慨を持って読み進めることができました。

Tears in Heavenが、5歳の息子を事故で亡くしてしまった時の曲であることは有名です。大親友ジョージ・ハリスンの妻であったパティと、長年の苦しい愛を成就させて結婚したのに、その息子は浮気相手との婚外子であったことをこの本で知りました。しかも、婚外子は他にもいるし。
既にドラッグとアルコール依存症だったエリックとの愛を貫いて、リハビリに協力し、献身的に尽くすパティが、子供ができない体質だと解ってからの非人間的な仕打ち。歌詞に込められた世界の表と裏を見た気分です。
丁度その頃、“欲望と愛情、快楽と幸せの区別がつかなかった”と言っていますが、息子の死をきっかけに、自分の業が引き起こした悲劇だと感じたでしょうか。悲嘆にくれる中で、一度は失敗したアルコール断ちのプログラムに再挑戦し、息子に誓って、そして初めて跪いて神に祈りながら、乗り越えます。

 息子が亡くなったのが45歳の時、そして現在に至る幸せを感じる家族、安息の場所を見つけたのは56歳。今は妻と3人の娘と、人間らしい生活、自分が求めていた時間を過ごしていると言っています。
それまでは天才アーティストだから許されたのかもしれない自暴自棄、空虚、スキャンダラスな私生活を送っていたわけで、自分探しの旅に随分長い時間がかかったようです。50歳過ぎてから人生はスタートできる!のは・・・人生の重要な何かが欠けていたとしても、天才だからですよね?万人に可能性が無いとはいえませんが。

最後に、日本語訳の文がダラダラ、まとまり無く、とにかく読みにくいです。日本語を推敲した改訂版を期待します。

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